1995年1月17日の阪神・淡路大震災から27年。災害は、いつどこで起こるかわかりません。今回は、放送局が災害時にも情報を伝え続けるために重要な「無停電電源装置」について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
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1月17日で阪神・淡路大震災から27年。災害に対する備えについて、いま一度、考えなければいけません。災害時には、停電が起こり、正しい情報を得ることが難しくなってしまう場合があります。 ラジオは電池で使えることから災害時の情報収集に役立ちますが、情報を伝える側のラジオ局も、停電時も放送を届け続けるためにと対策を施しています。
ラジオ局などの放送局では、突発的な停電への対応として「無停電電源装置」を導入しています。「UPS」(Uninterruptible Power Supply)や「CVCF」( Constant Voltage Constant Frequency、定電圧定周波数)電源と呼ばれています。平常時はバッテリーに充電、電源が切れると一転、バッテリーから電力を供給する働きを持つもので、電圧の低下時も同様に、バッテリーから不足分を補います。これがあれば、災害時に停電が起こっても、しばらくは放送を運行することができます。
ラジオ関西(神戸市中央区)では、地震などの災害時、緊急割り込み放送を入れたり、番組中でも報道放送への切り替えを行ったりして災害情報を発信しますが、そのためにはまず電源を確保しなければいけません。そこで導入しているのが無停電電源装置です。スタジオ用や、ラジオマスター室(放送設備・機器が集中する「主調整室」)の設備用、また淡路島の送信所(淡路市)には非常用の発電機も設置しています。
電源の確保はとても重要です。アナログ機材では、不安定な電源や急激な電圧低下などが、ノイズの混入・音質の低下に繋がりやすくなります。一方デジタル機器は、電圧が低下すると、動作が停止したり誤動作が生じたりしますし、「瞬間停電」により瞬間的に電圧が低下した際にも誤動作が起こる恐れがあります。普段から、原因不明の誤動作が頻繫に起こる場合は、電源について確認してみてください。
また、最近のデジタル機器の多くはハードディスクを搭載しています。シャットダウンの操作をせずに電源を切る、あるいは不意の事情で電源が切れるなどすると、ハードディスクが壊れる場合があるので注意しましょう。そして、日ごろからデータをバックアップしておくことも大切です。
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【放送音声】2022年1月16日放送回