美術館で旅気分を 兵庫県立美術館「た・び・て・ん」と「生誕100年元永定正展」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

美術館で旅気分を 兵庫県立美術館「た・び・て・ん」と「生誕100年元永定正展」

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 旅に出たい、でもコロナ禍の状況では難しい。そのなかで、兵庫県立美術館では旅気分を感じさせてくれるコレクション展が開催されている。

 兵庫県立美術館で始まったのは、2022年コレクション展Ⅰ「た・び・て・ん」。また小企画として「生誕100年元永定正展」も開催されている。会期は7月3日(日)まで。

 兵庫県立美術館は、現在1万点以上の作品を所蔵し、1年を2期に分け、テーマを設けて展示している。2022年の1期は「旅」がテーマ。「た・び・て・ん」と題しおよそ160点を展示する。作品とともに、作品の中への旅へといざなう。

展示風景

 小企画「生誕100年 元永定正展 ―伊賀上野から神戸、そしてニューヨークへ―」でスポットライトが当てられている元永定正は、1922年に三重県で生まれ、「具体美術協会」を代表する作家のひとりとして世界に知られている。元永が、伊賀上野から神戸へ移り住み、そしてニューヨークへ渡るまでの画業の前半15年に焦点を当てた展示では、元永作品の特徴である「いろ」と「かたち」が生まれた背景を「場所の移動≒旅」という観点で振り返る。初期の代表作から初公開となる作品まで、「元永の画風の変遷」をたどる旅を味わえる。

元永定正展 展示風景
元永定正展 展示風景

 神戸で描いた作品《寶がある》(1954年頃)に描かれているのは摩耶山。山上の赤や緑、青などはネオンだという。当時摩耶山上には遊園地があり、ふるさとの伊賀の山に比べて明るい神戸を作品にしたとされる。この作品が評価され、具体美術協会に入るきっかけになった。

元永定正《寶がある》1954年頃 個人蔵(三重県立美術館寄託)
元永定正(不詳) 1955~1957年頃 個人蔵 最近発見された 初公開

 1966年から67年に滞在したニューヨークでは画材が手に入らずエアブラシで作品を描く方法を知り新たなスタイルを獲得。ニューヨークで初めて完成させた《作品 N.Y.No.1》も紹介する。

元永定正《作品 N.Y.No.1》1967年

◆兵庫県立美術館
コレクション展Ⅰ「た・び・て・ん」/小企画「生誕100年 元永定正展 -伊賀上野から神戸、そしてニューヨークへ―」
会場 兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
会期 2022年1月22日(土)~7月3日(日)
 ※4月11日(月)~22日(金)は一部展示替えのため閉室。また、このほかにも展示替えを行う予定。
休館日 月曜(ただし3月21日は開館、翌22日は休館)
※新型コロナウイルスの拡大状況によっては、時間や入場に関する変更が生じる可能性あり。
【公式サイト】

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