神戸・男子高校生殺害事件「事件後も、ずっと罪を重ね続けた」将太さん父親、被告の男に怒り隠せず | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸・男子高校生殺害事件「事件後も、ずっと罪を重ね続けた」将太さん父親、被告の男に怒り隠せず

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 神戸市北区で2010年10月、堤将太さん(当時16・ 高校2年)が刺殺された事件で、神戸地検は28日、2021年8月に殺人容疑で逮捕、送検された男(29・事件当時17歳)について、殺人罪で起訴した。
 神戸地検は男について、 犯行時の精神状態などを多角的に調べる必要があると判断、 2022年1月24日まで専門の医師による精神鑑定を行うため鑑定留置とした。その結果、刑事責任能力はあったとの鑑定が出た。

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 男は事件後の2017年ごろ、「少年が高校生を殺害する」という内容の小説をつづり、電子書籍で閲覧できるようになっていたという。
 「人を殺す人は、人じゃない。その点は(物事の善悪を判断する)刑事責任能力の有無とは違う」。将太さんの父親・敏さんはラジオ関西の取材に憤りを隠せない。

「人を殺す人は、”人”じゃない」堤将太さん父親・敏さん
「人を殺す人は、”人”じゃない」堤将太さん父親・敏さん

 男は事件の8日前に現場近くの量販店でナイフを購入したとみられている。敏さんは「いつも近くの公園で嬉しそうに楽しそうにしている将太さんらが憎かった」という供述があると聞いた。もし、書かれた小説が本当に男が書いたものならば、という前提で「男には計画性があった、そうした”シナリオ通りに”将太を襲ったと言わざるを得ないのではないか」と話す。

「ここで将太は襲われたんです」父親・敏さんは改めてその場に座る

 犯行後しばらくして、男は愛知県内に居住地を移した。事件から10年以上、男が脅えながら生活していると思い、男が逮捕されるまで、敏さんは「犯人を追い詰める」と自分の心を奮い立たせていた。しかし逮捕後、少しずつ断片的ではあるが男についての情報が入る。そこで男が事件と酷似したストーリーの小説を書いていた事実や、逮捕前にSNSを使い、犯行をほのめかしたことや、今の自分の仕事のことや将来について発信していたことを知り驚くと同時に憤る。
 敏さんは「本当に罪と向き合っていない。事件から11年あまりの間、反省や罪の意識はみじんもなかったんだと思う。この事件は、あの日(2010年10月4日)で終わっているのではない。男はその後もSNSを使って、1日1日罪を重ねてきた」と怒りを隠せない。

 また、「メディアの報道にも触れ、(男に)何らかの感情が芽生えたのかも知れない」とも話す。事件からまる10年が経過した2020年、この節目に、コールドケース(未解決事件)のその後を検証し、敏さんが語る将太さんへの思いや、事件解決を願う気持ちを報じたメディアも多い。

兵庫県警本部 のべ3万人以上の捜査員を投入
兵庫県警本部 のべ3万人以上の捜査員を投入

 兵庫県警が「男が犯行をほのめかしている」という情報を入手したのは、事件から10年が経過した2020年秋以降とされる。男を容疑者として特定するまで、本部の捜査一課では「極秘事項」として、ごく少数の捜査員による裏付けを続けていた。

 将太さんの衣服から採取されたDNA型が男のものと一致、2021年8月4日、捜査員が愛知県内の自宅へ出向き、男に任意同行を求めた。抵抗することなく、素直に応じたという。

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