3月に入って段々と気温が上がってきているものの、まだまだ寒い日も続くこの頃。世界屈指の温泉大国と言われる日本では、体を温めるために温泉に足を運ぶ人も多い。そんな温泉をより効果的に活用する方法があるということで、温泉ソムリエの資格を持つ「三田天然温泉 寿ノ湯」(兵庫県三田市)の広報室課長を務める高橋洸さんに話を聞いた。
温泉ソムリエ・温泉入浴指導員という資格を持つ高橋さんは、「温泉に浸かったあと、最後にシャワーを浴びて出る人もいますが、それはもったいないです。温泉に入ると成分効能がたっぷり肌についているので、その成分を流してしまわないように、なるべくなら最後は流さずにあがることをおすすめします」とコメント。また、入浴中は水圧によって血液が頭に集中しやすく、ゆっくり温泉に浸かりたいけどすぐにのぼせてしまう……という悩む人に対しては、「入浴中に冷えたタオルを頭にのせることでのぼせるのを防ぐことができますので、一度試してみてください」とアドバイスしていた。
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その高橋さんのいる寿ノ湯は、2020年2月にオープンした施設。炭酸泉や電気風呂、塩の殺菌作用のある強塩苦味泉など7種類の個性の異なるお風呂がある。見晴らしが良い自然の中にある温泉で、「お客さんの半数は他県から訪れる方」だという。大浴場や露天風呂のほかサウナに岩盤浴、さらには約1万冊の蔵書を誇るライブラリーにフィットネスジムなどもあり、朝から夜までのんびりと過ごせると人気だ。
ライブラリーのリラックススペースには「おこもりゾーン」という場所があり、そこで寝ながら本を読むことができるのも特長。これは、高橋さんが様々な場所に視察に行くなかで思いついたアイデアだという。「東京・六本木にある“入場料を払う本屋”、文喫のブックセレクターさんにお願いして選んでいただいています。ライフスタイルに関わるものをセレクトしていて、猫の本ばかりが置いてある棚など少し変わったものもあります。きっとわくわくする本たちに出会えるはずです」。
施設の値段は地域貢献を第一に考えてリーズナブルに設定されている。大人(中学生以上)は平日850円、土日祝950円。こども(小学生まで)は平日・土日祝ともに400円(2022年5月31日までは大人は期間限定で100円引き)。子どもに喜んでもらおうと、施設までの昇り降りをサポートする小型のスロープカー(通称:モーモー号)も設置。乗車は無料で、子連れの家族の中には、このモーモー号に乗るためにわざわざ施設から遠い方の第2駐車場に車を停めて乗り込む人もいるという。
高橋さんは、「今後はサウナにより力を入れていくつもりで、様々なイベントを打ち出していきたい」と抱負を語っていた。
【2022年3月8日放送回…放送音声】