ウクライナ「侵攻」は、「戦争」ではないのか 言葉に見る国内メディアと海外メディアの違いは… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ウクライナ「侵攻」は、「戦争」ではないのか 言葉に見る国内メディアと海外メディアの違いは…

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 ロシアがウクライナ領土に侵攻して、戦闘が続いています。

 この「侵攻」という言葉。広辞苑第七版(岩波書店)によりますと、その意味は……。

「他国または他の領土を攻めおかすこと。侵犯。」とあります。

 残念ながら、まさにそれが今の状況です。

 読み方が同じ言葉に「進攻」というものがあります。こちらの意味は「進んで行って攻撃すること。進撃。」(広辞苑)とあります。現状を考えると、この言葉でも間違いではないと言えそうです。

 この侵攻の「侵」という文字。「シン」とも「おかす」とも読めます。漢字の意味は、「他人の領分に入りこむ。おかす。『侵攻・侵略・不可侵』」(広辞苑)ともあります。

 ここでふと思ったのは、この状況は「戦争」ではないのだろうかということ。そもそも「戦争」を広辞苑で調べると、「(1)たたかい。いくさ。合戦。(2)武力による国家間の闘争。(以下省略)」などとあります。

 しかし、日本国内の放送や新聞などの表現では使用していません。海外はというと、海外メディアの英語サイトを見てみると「侵攻」を意味する「invasion」が使われています。ところが、同じ海外のテレビメディアのリポートを注意深く聞くと「war」、つまり「戦争」と言っている社が複数ありました。

 共同通信社が発行している最新の「記者ハンドブック新聞用字用語集第14版」には、「侵攻=他国または他の領土を攻め侵、侵略(例:イラクのクェート侵攻)」とあり、その隣には「進攻=軍を進み攻め込む、進撃(例:ロシア軍のチェチェン進攻)」とありました。


◆「ことばコトバ」アーカイブ記事

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