近年、空前のサウナブーム到来と言われています。コロナ禍に一人でも楽しめる娯楽として、また、ストレス解消につながるものとしても人気が高まっているようです。最近サウナの魅力にはまったビギナーも多いのではないしょうか。筆者もその1人です。
昨年2021年には「現代用語の基礎知識 選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」に、サウナ用語の「ととのう」がノミネートされ、話題になりました。この「ととのう」は即ち「整う」で、“サウナー”(サウナ愛好家)が、サウナで得も言われぬ心地よさを味わったときに「ととのったー!」と表現します。
実はここに、サウナ独特の奥深い世界が存在します。
さて、「ととのう」とはいったいどのような感じなのでしょう。サウナで「気持ちがいい」と感じているあの感覚が「ととのう」だと言えるのでしょうか。サウナをよく知る人に聞きました。
今回お話を聞いたのは、「『月刊サウナ』大阪特派員 サウナ伝道師なんちゃん」さん(以下、なんちゃんさん)。なんちゃんさんは、サウナ愛好会「SAUNNERZ(サウナーズ)」主宰で、イベント、書籍の出版(※1)やYouTubeでの動画配信などの活動を通じてサウナの魅力を広めている“サウナのプロ”です。
そんななんちゃんさんが、サウナの魅力として一番に挙げるのは、なんといっても「きもちいい」という体感。この気持ち良さが、いわゆる「ととのう」と呼ばれる状態で、「サウナから水風呂へ、そして、休憩」という行程を繰り返すことで得られる多幸感やリラックス状態を「ととのう」「ととのった」と表します。
ただ、その感覚は一様ではなく、「身体がフワーッと浮いている感じ」「身体中の血のめぐりを感じる」「頭が真っ白になる感じ」など、表し方もさまざまです。なんちゃんさんは「自分が周りの空気と一体になったような感じ、空気に溶けていくよう」と話します。また、「体はジワーっとして動けず、目の玉だけが浮かんでいるような感覚、そして、心地よい音だけが頭の中を流れていくような感じ」だそうで、この気持ちよさはサウナでしか味わうことのできない感覚だと思っている、とのことでした。
人それぞれの感じ方がありつつ、とても気持ちがいいという感覚が「ととのう」ことなのは間違いなさそうです。