サッカー・J1のヴィッセル神戸は、2日、J1第6節で、同じ関西の京都サンガF.C.と、ホームのノエビアスタジアム神戸で対戦する(キックオフ予定は午後4時)。キャプテンのアンドレス・イニエスタ選手は3月31日のメディア対応で、「ここで勝って自信を得て、今後の戦いをいい形で進められるよう、流れを作っていきたい」と意気込みを述べた。
開幕からリーグ戦では7試合で4分け3敗と勝ちがなく、3月20日には三浦淳寛監督との契約を解除、翌21日にはトップチームの暫定的な体制変更を発表したヴィッセル。今シーズンからヤングプレイヤーデベロップメントコーチを務めていたスペイン人のリュイス・プラナグマ氏が監督に就任し、指揮をとることになった。クラブとして再出発を迎えるなかで、今回の京都戦では、リュイス色をいかに打ち出しながら再生を目指すのか、クリムゾンレッド新体制のお披露目の場となる。
ただし、チームは序盤の戦いでFW武藤嘉紀選手、MFセルジ・サンペール選手といった主軸をはじめ、負傷者が続出。今シーズン台頭著しいFW小田裕太郎選手もU-21日本代表のUAE遠征中に負傷離脱を余儀なくされた。限られた戦力のなかで、4月はリーグ戦3試合、そして、ACLグループステージの集中開催で4月15日から5月1日まで6試合という超ハードスケジュールをこなさなければならないクリムゾンレッド。4月最初の試合では、勝利を目指すことはもちろん、チームの戦力の見極めという点でも、リュイス新監督に課せられたタスクは大きなものがあるだろう。
それでも、「この1週間は選手の状態を見極めること、選手たちに我々のやりたいことを理解してもらうこと、そのなかで可能な限り100パーセントの状況で試合に挑むことを目標にやってきた」とリュイス監督。1週間余りという期間のなかでも、「(監督と選手が)お互いによく理解し合うことが重要」と、選手全員と1対1の話し合いを行うなどコミュニケーションを図り、チームに一体感をもたらしながら、試合への準備を進めてきたという。
「目の前の試合に向けてものすごく集中して練習(試合への準備)していることを、まずはファン・サポーターに伝えたい。ここで勝利をつかんで、ファン・サポーターの皆さんもスタジアムで勝利を一緒に味わえる、そんな日にできればと思う」と意気込みを述べた指揮官は「(チームには)いい選手、質のある選手がそろっている。彼らが最大限いきるようなシステムで試合に臨みたい」とコメントしており、これまでとは違う新たなスタイルも見られるかもしれない。
一方、チームリーダーのイニエスタ選手は、「いろいろな要素が絡まってこういった結果(7戦未勝利、監督交代)になったと思う。そのなかで、今はチームとして何を変えていかなければいけないか、どういうところを改善すべきか、みんなでイメージを共有して、可能な限り早くそれをピッチで表現できるようなところに持っていきたい」とコメント。「新監督のもとで、彼の考え方や特長があり、選手としてはそれをピッチで表現できるようにしたい。そして、その変化を活用して、変わったことがこの土曜日から見えるように、しっかり戦っていきたい」と気合いを込める。
また、「自分たち(の戦い)でこういう結果になってしまったところはあり、僕は試合に出ていたし、責任を感じているところはある」という副キャプテンの山口蛍選手は、「新しい監督になって、練習もそうだし、日ごろのいろんなところからポジティブにとらえてやっているので、そこはいい雰囲気でできている」と前を向く。「勝ちが早くほしい状況なので、勝利に向かって、今はその試合(京都戦)のことだけしか考えていない」と目の前の一戦に集中する背番号5のハードワークも、ヴィッセルのここからの反攻には不可欠だ。