SF映画やアニメの戦闘シーンでは迫力のある音も印象的ですが、宇宙で音は聞こえるのでしょうか? 今回は「音が聞こえる仕組み」について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
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「音」というのは、物体が振動すると発生する音波のことです。「音が聞こえる」ということは、その音波を、人間の耳の鼓膜が振動してとらえている、ということです。 音波は、音の発信源から放射され、「疎密波」という、密度の変化を伴う空気の波を介して伝わっていきます。
では、空気の無い宇宙では、音は聴こえるのでしょうか?
宇宙では…音は聴こえません。よく『銀河英雄伝説』など宇宙がテーマのアニメや映画で、宇宙船が爆発する際の音や、ビュンビュン! というような光線銃を撃ったりする音が付けられていますが、あのような音は実際には聞こえません。空気などの媒質が無い“真空”の宇宙空間では、音波は伝搬しないので、爆発が起こったとしても、アニメによくあるような音は聞こえない、ということなのです。ちなみに、空気が無いので、火柱が立つ現象なども起こりません。
ただ、宇宙空間のような真空でも、光は届きます。音も光も「波」ですが性質が違います。光は目には見えない小さな「粒子」で、「電磁波」という、空間を伝わる波の一種です。
ラジオも「波」を使って音を発信・受信しています。ラジオの音は、「搬送波」という高い周波数の波に伝えたい信号をのせて、電波として送る仕組みになっています。この部分を「変調」と言います。ラジオの受信機では、アンテナでとらえた電波の信号を元の音の形にもどします。これは「同調」や「検波」という仕組みで、検波された信号はイヤホンなどで聞くことができます。
ラジオの仕組みにも関係がある、音の波のこと、覚えておきたいですね。
参考 「PA入門 基礎が身に付くPAの教科書」
第7回:なぜ宇宙では音が伝わらないのか | 創考喜楽 | 教育業界の常識にQuestionを投げかけるメディア (iec.co.jp)
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