1970年代、「わんぱくでもいい たくましく育ってほしい…」とナレーションが流れるハムのテレビコマーシャルがありました。日焼けした顔に白い歯、そして筋肉が盛り上がったたくましい腕。お父さんと息子とおぼしき2人の映像があったのを覚えている方も多いと思います。そう、「わんぱく」というのはそんなイメージです。でも、漢字にすると「腕」が「白い」とかいて「腕白」。なぜイメージと字がこんなに違うのでしょうか?
「腕白」。『広辞苑 第七版』 (岩波書店)には…
「(古くはワンパク。『腕白』は当て字)子供がいたずらで言うことをきかないこと。活発に動き回ったり、わるさをしたりすること」
などとありました。そして『新明解国語辞典 第八版』(三省堂)には…
「〔独断専行の意の『関白』にもとづくという。ワンは『関』の音の一つ。『腕』は当て字〕…(以下一部省略)」。
なんと、「腕」は当て字だというのです。
『日本語源大辞典』(小学館)にも同じ意味が書かれていて、語源説として…
(1)ワウワク(抂惑)の転、ワヤクの訛り(以下一部省略)
(2)クヮンパク(関白)の転)(以下一部省略)
(3)ワワク(抂惑)と関白の混交か<くらしのことば語源辞典>
とありました。その上で、参考として…
語源説(1)の『大言海』には、ワクワク(抂惑)→ワワク→ワヤク→ワンパクが変化した語という。→「わやく」の「参考」