【HYOGO魅力人】スマスイの獣医・毛塚千穂さん 獣医の一日は「あえて予定を定めない」 印象深いのは「カピバラの歯の治療」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【HYOGO魅力人】スマスイの獣医・毛塚千穂さん 獣医の一日は「あえて予定を定めない」 印象深いのは「カピバラの歯の治療」

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 1987年にオープンして以来、今も「スマスイ」の愛称で神戸市民から親しまれる「神戸市立須磨海浜水族園」(神戸市須磨区)。ウミガメやペンギン、アザラシなど海の生きものたちが生き生きと暮らし、様々な種類の魚たちが展示されるなど、生きものの生態や特徴をしっかりと知ることができる水族園です。

神戸市民に愛され続ける「スマスイ」(提供=須磨海浜水族園)

 そんなスマスイの生きものたちの健康をケアするスタッフの一人が、獣医・毛塚千穂さんです。2011年3月に大阪府立大学(現・大阪公立大学)を卒業して同園に就職した毛塚さん。今年で勤続12年になります。

獣医の毛塚千穂さん(提供=須磨海浜水族園)

 獣医になったきっかけを聞いてみると「獣医を志したというより、進んだ道が結果的に獣医だったという感じかもしれません」とのこと。もともと野生動物が大好きで、動物園で働きたいという思いが強かったそう。そのために動物の専門知識を身につけたいと考えていたところ「獣医学科なら動物のことを一番深く学べそう」と感じたのだとか。

 同園との出会いは偶然でした。

 獣医学科を卒業し、就職が決まらないままだった毛塚さんが進路について考えていたところ、耳に入ってきたのが同園の獣医募集の話。毛塚さんは迷わず応募しました。聞くと、元から神戸に住むことへの憧れがあったことにくわえ、園の規模や研究教育活動に力を入れているところが、理想と重なったそう。実は、動物園や水族館の募集は不定期かつ間口が狭いため、希望どおり就職できる人は稀です。そういった背景もあり、毛塚さんは同園での就職を「運よく拾われました。強運としか思えませんでした」と振り返ります。

 「水族園の獣医」という少々特殊な仕事となると、やはり一日のスケジュールが気になるところ。毛塚さんによると、診療業務は突然やってくるため、すぐ動けるようにあえてスケジュールをはっきりと定めないようにしているそうです。

 主な業務である検査や治療は午前中に行うことが多く、治療中の動物がいれば、給餌時間に覗きにいったり飼育員の話を聞きに行ったりします。検査や治療が無い場合は、事務所のデスクでメールチェックをしたり、標本を作ったり。他にも、調べもの、今後予定されている獣医レクチャーや研究発表の準備、整理されていない動物のデータの取りまとめ……。毛塚さんの仕事内容は、多岐にわたります。

 充実した日々を過ごしているという毛塚さんですが、動物の病気の原因が検査で特定できないときや、治療法がなさそうな症状が出ているとき、治療したくても手が出せないときにはどうしても難しさを感じるそうです。

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