兵庫県の斎藤元彦知事が12日、ラジオ関西の生番組に出演し、JR西日本が発表した赤字ローカル線の維持、活性化に向け、県が主導して協議会を設ける方針を説明し、「住民の生活や観光に大切な路線を維持していくため、未来志向で議論していく」と述べた。
JR西日本が、乗客の輸送密度が1日当たり2000人未満として公表した兵庫県内関連の路線は、山陰本線(城崎温泉~鳥取)、播但線(寺前~和田山)、姫新線(播磨新宮~津山)、加古川線(西脇市~谷川)。2017~19年度の平均赤字額が2億7千万円~11億8千万円に上るとしている。
鉄路は地域住民の日常生活や地域の活性化に欠かせないことから、兵庫県は「JRローカル線維持・利用促進検討協議会(仮称)」を設置して官民が連携して利用促進策を検討することを決めた。路線ごとに実情が違うため、それぞれに応じた利用促進策を検討するワーキングチームを但馬県民局、西播磨県民局、北播磨県民局に置くことにしている。
斎藤知事は「先日も播但線や姫新線に乗ってみたが、ローカル線は穏やかな感じがよい」とし、「路線はつながっている。黒字のところもあれば赤字もある。全体として経営していくことが大事だ」と指摘。「県がリーダーシップを発揮して、JRや沿線の市町とともに、維持、活性化に向けて議論していく」と話した。