「素敵」は褒め言葉じゃなかった!? 歌舞伎のセリフに見る別の意味は辞書にも掲載 「敵」なのはなぜ? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「素敵」は褒め言葉じゃなかった!? 歌舞伎のセリフに見る別の意味は辞書にも掲載 「敵」なのはなぜ?

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 先日、「シネマ歌舞伎」を観ました。歌舞伎の舞台公演を撮影して映画化したもので、これまでにもたくさんの作品が上映されています。新型コロナなどで実際の劇場に足を運びにくい昨今。観そびれた作品を映画館で観ることができるのはとてもありがたいです。

 さて、今回観たのは『桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)』。四世鶴屋南北の作で、人間国宝の片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんのコンビで36年ぶりの再演です。2021年に、2か月にわけて上の巻と下の巻が上演されたのですが、36年前と同じく大変な話題となりました。

 その作品のなかで出てきたセリフが「素敵」。使った場面に疑問がわきました。

 と言うのは……桜姫(玉三郎)から、酒は飲んだのか、と尋ねられた釣鐘権助(つりがねごんすけ、仁左衛門)の答え。

「素敵に飲んだ」。

 はて、「素敵」に、酒を飲んだ?

『広辞苑 第七版』(岩波書店)で「素敵」を調べました。

「『素敵』は当て字。『素敵』『素適』とも書く」などとあり、意味として「(1)自分の好みに合っていて、心をひきつけられるさま。《以下省略》」。そして二つ目の意味として「程度や分量がはなはだしいさま。ぎょうさんなさま」とありました。

 なるほど、「はなはだしい、ぎょうさん」という意味があったのか。


◆「ことばコトバ」アーカイブ記事

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