36年の時を経て“帰還”! トム・クルーズ主演『トップガン マーヴェリック』レビュー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

36年の時を経て“帰還”! トム・クルーズ主演『トップガン マーヴェリック』レビュー

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 今なお語り継がれるあの大ヒット作が“帰還”。映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが『トップガン マーヴェリック』を解説します。

『トップガン マーヴェリック』2022年5月27日(金)公開 (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

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 待ちきれない! とは、こういうことをいうのか?……と、誰しもが思ったのではないかというぐらい、観客数の伸びが著しいこの作品。まさに、待ちに待った甲斐がある、素晴らしい出来だ。

 1986年、前作『トップガン』から36年。最初に続編のニュースが飛び込んできたとき、公開予定は2019年だった。それが製作の都合で2020年になり、コロナの影響でまた延期となって2021年7月に全米公開……のはずが、さらに延びて、とうとう2022年に。

 前作が公開されたとき、町にはあのジャケットに“あのサングラス”の若者があふれ、“あのサントラの曲”がガンガン流され、“あのカワサキのバイク”も注目されて、まさに大ブームを巻き起こした。今回、暑さに向かう時期の公開にもかかわらず、“あのジャケット”のいで立ちで、劇場に出かけているファンも結構いるらしい。蒸れるのではないか…と心配してしまうが、それがファンの愛情の示し方というものなのだろう。

 この作品、オープニングから、前作の主題歌「デンジャーゾーン」が流れてくるまでの導入部が、もう鳥肌もの。前作へのオマージュというか、思い入れに溢れていて、胸キュン!

 前作の公開からずいぶん時間が経っているにもかかわらず、今なおポップカルチャーの一部であり続ける『トップガン』。その続編への期待は、ずっと前からあった。

 2010年頃、前作監督のトニー・スコット、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、主演のトム・クルーズの三人が揃って一緒に『トップガン』を観て、続編への動きが出てきた矢先の2012年8月19日、トニー・スコットが帰らぬ人に。そして、トニーの作品に沿うものでなければ続編は作らないというのが、トム・クルーズとジェリー・ブラッカイマーの一致した思いになった。

 前作では、実際にF-14トムキャットに乗って大空を駆け巡った。今作はF/A-18で、“生還の可能性ゼロ”のミッションに挑むという。撮影では、究極のリアルを求め、CGやスタントマンを使うことなくトム・クルーズ自ら臨んだ。機内にIMAXカメラを搭載して撮ったシーンの数々。事前に訓練を受けたとはいえ、強大な“G”(いわゆる重力加速度)がかかった役者たちの体は極限状態に陥ったようだ。

 一瞬、これは『トップガン』ではなく『ミッション・インポッシブル』ではないのか? マーヴェリックではなく、イーサン・ハントなのではないかと思えるほどに、不可能を可能にしていくトム・クルーズ。

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