兵庫県の3回目のワクチン接種率が低調だ。6月19日現在の接種率は、全国平均で60.7パーセントとなっている一方、兵庫県では58.0パーセントで、42位。特に、20代は39.8パーセント、30代は43.6パーセントにとどまり、いずれも44位の数字だ。背景を、兵庫県・ワクチン対策課の相浦輝之課長に聞いた。
相浦課長は、「ワクチンを打ったから絶対に感染しないわけではない」と前置きしたうえで、「感染を防ぐ効果があるうえ、重症化を防ぐ。当然ながら、感染しなければ後遺症も出ない」とその有用性を強調する。
若年層や働き盛り世代の接種率が低いことについては、「全国的に感染者数が下げ止まる中、感染しても重症化しにくいというイメージを持っている人が多いことや、副反応により日常生活が制限されることを心配して接種をためらう人が多いのではないか」と推し量る。その上で、「若い人が感染した場合でも、重症化したり、症状や後遺症が長引いたりする場合がある。同時に、感染を周りに広げることのリスクも認識してほしい」と話す。
そうした中、県が期待を寄せるのが、6月1日から接種を始めた「ノババックス」ワクチンだ。「組換えたんぱくワクチン」で、日本ではB型肝炎などのワクチンとして長年の使われている実績がある。mRNAワクチンと比べ、副反応が少ないとされていて、県のワクチン対策課によると「モデルナ製のワクチン(mRNA)は日曜日になると(仕事などを心配し)予約が減るが、ノババックスにはその傾向が当てはまらない」という。
県は7月の「ノババックス」接種枠を当初の予定から700回増やし、計1,820回分に拡大する。もともと設けていた枠が想定より早く埋まったことによる対応で、県の大規模接種会場(姫路・西宮)で増枠する。接種の対象は18歳以上で初回、追加に関わらず接種が受けられる。
相浦課長は、「海外では新たな変異株が出てきていて、国内でもいつ新しい株が出てくるかわからない。次の感染の波を抑えるためにも、是非ワクチンを接種してほしい」と呼びかけている。