マンガや小説を読むなら「電子書籍」か「紙の本」なのか……。読書家の間ではしばしば論争の的となるテーマです。
ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西、月―木午後2時30分~)のコーナーで、神戸電子専門学校の学生が独自のレポートを発表する「走れ! Clip特派員!」(2022年6月20日放送回)でも、「電子書籍or紙」に関する疑問が浮上。そこで、校内にてアンケートを取ってみました。
結果は「電子書籍」派が25.6%、「紙の本」派が62.2%、「そもそも本を読まない派」が11.8%。紙の本派が約6割と、かなりの優勢でした。ところが、「出版科学研究所」が2021年に発表した出版市場規模の推移を見ると、紙の本が前年比1.3%減、電子書籍が18.6%増となっていて、電子書籍の伸び率に驚きます。
実際に、読書をするなら電子書籍・紙のどちらがいいのでしょうか。書籍のことなら、やはり出版社に聞くのが一番、ということで、少年誌の『週刊少年チャンピオン』やマンガサイト『マンガクロス』を刊行する「秋田書店」と、『花とゆめ』や『LaLa』などの少女マンガで有名な「白泉社」の2社に聞いてみました!
まず、電子書籍のメリットを聞いてみたところ「通信環境さえ整えば、大量の蔵書をどこででも好きに読むことができる」「時間を気にせず、スマホなどのデバイスで簡単に読める」「無料公開している作品も多いので、好きな作品を見つけて試し読みも可能」など、納得の理由が続々。
とはいえ、紙の本も負けてはいません。
「電子書籍よりも解像度(見た目の線などの綺麗さ)や色の再現性が高い」(秋田書店)
「書店側のメリットとして本をずらりと並べることで『はやっている感』を視覚的に演出できる」
「物体として存在するということが最大のメリット。所有したり、人に貸したり……年月を重ねて、日焼けしながらも書棚に思い出として残る良さがある」(白泉社)
長年、紙媒体の雑誌や書籍を出版し続けている2社だからこそ分かる利点を教えてくれました。
それぞれに長所がある電子書籍と紙の本。アンケート結果では劣勢だった電子書籍ですがが、その歴史は意外と古く、日本初の電子書籍サイト『電子書店パピレス』(現「Renta!」)がオープンしたのは今から26年前の1996年でした。それにもかかわらず、売り上げの急増はここ数年のこと。なぜなのでしょうか。