夏が本格化。あまりの暑さに食欲が減退することも。冷たくて、つるんとした口当たりがうれしい豆腐は、ありがたい存在だ。そんな豆腐を一度に使い切れなかった場合、どうすればおいしい状態のまま保存できるのか気になるところ。
1953年(昭和28年)創業の老舗で、全国豆腐品評会に選定された豆腐を販売する株式会社八雲(神戸市中央区、以下、八雲)の代表取締役・北村良成さんに話を聞いた。
八雲の豆腐の特徴は熱処理をせずに、できたての豆腐の味わいをそのまま残していることだそう。賞味期限は短くなるが、そのぶん、できたての豆腐のおいしさや大豆の風味を楽しめるという。
種類が豊富で、豆腐だけでも12種類、油揚げも含めると20種類以上を展開。日本で最もおいしい豆腐を決める全国豆腐品評会で選定された「大吟醸 おぼろ」は、店の人気ナンバーワンの特製豆腐だ。
では、これらの豆腐を購入したものの一度に使い切れなかった際は、どのように保存すればいいのだろうか。
北村さんによると、豆腐に含まれる栄養素が水に溶け出してしまうため、栄養素を保ちたい場合は、水に浸さずに冷蔵保存するのがいいそう。また、空気に触れないようラップでくるむのがベストだが、そこまでするのは面倒という場合は、お皿に移してラップをかけるか、入っていたパックに戻し、ビニール袋でしっかりと包んでしまうことで空気を遮断するのも一つの手とのことだ。
長引くコロナ禍。八雲も、飲食店の休業や学校給食の休止などで苦労してきたというが、スーパーや小売店の需要があり、飲食専門の豆腐店に比べるとダメージは少なかったそう。世間では、様々な世界情勢を受けて価格が高騰する商品も多いなか、北村さんは「今後どのように舵取りしていくのかを今、見定めているところ」と話す。
八雲では、市場調査を北村さんが、製品作りを北村さんの弟が担当するという二人三脚で商品を生み出している。夏季限定の商品も複数。とくに、枝豆の風味と濃厚なコクを楽しめる「枝豆おぼろ」がおすすめだという。