兵庫県の斎藤元彦知事が14日、ラジオ関西の生番組に出演し、急増する新型コロナウイルスの感染に対して、感染防止対策の徹底をあらためて呼び掛ける一方、社会経済活動との両立を図ることを明らかにした。
兵庫県内の新型コロナの感染者は、13日に4,000人を超えるなど、7月に入って著しく増加している。背景には、感染力が強いとされる変異株「BA.5」への置き換わりが進んでいることがあるとみられている。
「BA.5」は感染力が高いものの重症化するケースが少なく病床の使用率も低いことから、斎藤知事は「過度に委縮せず、感染防止と社会経済活動の両立を図りたい」と県民に対して行動制限を求めない方針を示した。知事は「社会の動きを止めるのは経済への影響が大きいので、これまでの経験を踏まえコロナとうまく付き合いながらやっていきたい。人と会話する場合や密になる場面は、マスクを着けることや距離をとることでしのいでいける」と話した。ただしマスクについては熱中症のリスクがあるため、外で人が近くにいない場合などは外すよう注意を促した。
また対策として、斎藤知事はワクチン接種の促進を挙げた。このため県は、西宮と姫路に設置している大規模接種会場の接種日を週4日に増やす。さらに副反応が比較的少ないとされるノババックスワクチンの接種枠も拡大した。
知事自身も14日中にワクチン接種する予定。ワクチンには重症化を予防する効果があり、とりわけ高齢者や基礎疾患がある方には「4回目の接種をお願いしたい」としている。
一方、新型コロナの感染者の中には後遺症に苦しんでいる人がいることから、県は専用の相談窓口を設置した。看護師が待機し、具体的な症状や体調に関する相談や職場復帰に向けた職場や医療機関との連携についての助言、労災保険給付の案内など、さまざまな相談に対応する。相談は「ひょうご新型コロナ後遺症相談ダイヤル」、電話(078-362-9278)かファクス(078-362-9044)で、午前9時~午後8時まで。土日祝日も受け付ける。