子どもから大人まで幅広い年代から人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんの初めての大規模な個展「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が、兵庫県伊丹市の市立伊丹ミュージアムで開かれている。2022年8月28日(日)まで。
ヨシタケさんは2013年、「りんごかもしれない」で絵本作家としてデビュー。それ以前からイラストレーター・造形作家として活躍してきた。日常生活の中にあるクスっと笑える人のクセやしぐさ、「あたりまえ」と思い込んでいることに投げかける疑問を、細いペンで描き、子どもから大人まで多くの人をひきつけている。
会場にはヨシタケさんの頭の中に広がる果てしない妄想やアイデアのイラストやメモ、絵本の原画や愛蔵のコレクションが並ぶ。ヨシタケさんが、何をどんなふうに考えて1冊の本が完成するのか、まさに「ヨシタケさんの頭の中」を見ることができる。
ヨシタケさんは普段からミニ手帳を持ち歩いている。何かあればすぐにスケッチ。ヨシタケさんの発想の源だという。これまでに描いた1万枚の中から2300枚が壁一面に並ぶ。市立伊丹ミュージアムを訪れた日のエピソードを描いたスケッチも展示されている。
絵本の制作過程を見ることができる展示も。絵本が生まれるきっかけから、どのようにアプローチしたのか、アイデアやスケッチ、構想まで、不採用になったものも含め紹介する。
また、絵本の世界に入りこんだような体験型の展示もあり、子どもから大人まで楽しめる。作品を知っていてもついつい笑ってしまう仕掛けもいっぱい。市立伊丹ミュージアムの岡本梓学芸員は「大人の方が楽しんでしまうかも」と笑う。
会場では、所々に付箋が貼ってあったり、黒いペンでの書き込みも。これはヨシタケさん自らによるものだという。「いろんな人に遊んでもらって楽しんでもらう仕掛けを用意した。みんなが幸せになる展覧会になれば」とヨシタケさん。
まさに、ヨシタケさんの頭の中に入り込んでしまう、かもしれない。
◆「ヨシタケシンスケ展かもしれない」
会期 2022年7月15日(土)~8月28日(日)
会場 市立伊丹ミュージアム
(兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20)
休館日 月曜
※7月29日(金)以降は時間指定予約が必要。
※7月22日(金)~7月28日(木)は入場制限のため整理券配布。(予定枚数に到達次第終了)
【市立伊丹ミュージアム 公式HP】