居場所のない少年少女とホームレスが現代社会の理不尽さを感じながら交流する姿を描く、映画『ぜんぶ、ボクのせい』が、8月11日(木・祝)から全国順次ロードショー公開されます。
主人公は、13歳の少年・優太。5歳の時から児童養護施設「ひかり園」で生活しています。優太は施設でも中学校でもいじめられ、孤独感を抱いていました。自分を理解する大人もおらず、母親が迎えに来るのを信じて毎日を送っています。
優太「いつになったら母さんに会えるの?」
施設の職員「えっそれは……」
優太「前にいた先生が言ってた。中学生になったら母さんに会えるって」
施設ではこの数年間、優太の母親に繰り返し連絡をとっていますが、いつも電話がつながりませんでした。
優太は偶然、母親の居場所を施設の記録ファイルで見つけ、会いたい一心で施設から逃げ出します。
母親が住んでいるにアパートに着きました。母親はやさしく迎えてくれましたが、同居する男と自堕落な生活を送っているようでした。
母親は施設へ連絡し、職員がアパートへやってきます。母親は優太に施設へ戻るように言うのですが、優太は絶対に戻りたくありません。
優太「ねえ。どうしてボクを産んだの……」
絶望した優太はアパートからも逃げ出します。たどり着いた港で夜を明かしました。ぼんやりと海を眺めているとホームレスの男・坂本が声をかけます。
坂本「おい、そんなところで何やってんだよ。そこ危ねえだろ」
坂本は軽トラックの荷台で暮らしていて、優太を招き入れて泊めてくれました。二人で協力して、山に捨てられた廃棄物を拾ってリサイクル工場へ売るなどして食いつなぎ、優太は坂本を“おっちゃん”と呼んで次第になついていきます。