2022年4月、神戸市長田区で起きた特殊詐欺事件に関わった疑いがあるとして、兵庫県警は3日、現金の運搬役とみられる男の画像を公開した。防犯カメラが多額の現金の入った紙袋を持って移動する姿をとらえていた。
事件は2022年4月22日、神戸市長田区の80代男性の自宅に、警察官を名乗る男から「あなたの通帳からお金が引き出されています。(すでに)犯人は捕まえています。ニセ札が出回っているので自宅にあるお金を確認します」と電話があり、その後同じく警察官を名乗る女が自宅を訪れ、現金2700万円を手渡してだまし取られたという。
兵庫県警・長田警察署は5月17日、「受け子(受け取り役)」として、詐欺容疑で姫路市のパートの女(22)を逮捕(詐欺罪で起訴)し、神戸市内で女から現金を受け取り、新幹線で東京都内に移動した男の行方を追っていた。 男は事件前に東京方面から神戸市内を訪れ、現金受取後、東京方面に戻ったとみられる。
男は中肉で腹部が出ている。服装は水色シャツ、白色のインナーシャツを着て、黒色ズボンを履き、たすき掛けのバッグを持っていた。右足のつま先を外側に開き、引きずって歩く特徴があるという。
情報は兵庫県警・長田警察署 078-578-0110へ。「兵庫県警公式チャンネル(YouTube)」では動画も公開している。
■2022年、上半期の被害は148億円~8年ぶり増加 高齢者の被害は9割
警察庁によると、2022年上半期(1~6月)の特殊詐欺の被害総額(暫定値)は前年同期より18億7千万円増の148億8千万円。上半期の増加は8年ぶり。警察庁は金融機関との連携をさらに強めるなどして、被害防止対策を進める。
また全体の認知件数は631件増の7491件。このうち65歳以上の高齢者の被害は約9割を占める6504件。埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の7都府県で5156件(68.8%)を占めた。