「自動ドアが開かない!」←あなたの服装が原因かも? 現在主流のセンサー「光線式」の弱点とは? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「自動ドアが開かない!」←あなたの服装が原因かも? 現在主流のセンサー「光線式」の弱点とは?

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 マンションやコンビニ、銀行など、いまや建物・施設の出入り口のいたるところにある「自動ドア」。前に立つだけで自動でドアが開くはずなのに、なぜか開かず、その場でジタバタしてようやく……そんな経験はないでしょうか。

 なぜ、自動ドアが開かないことがあるのでしょうか。そもそも、自動ドアはどのような仕組みで開いているのでしょう? 「全国自動ドア協会(JADA)」(東京都港区)に聞きました。

 同協会によると、現在の自動ドアのセンサーは、光の反射で人を探知する「光線式」が主流とのこと。以前は、体温で人間を感知する「熱線式」や、超音波の反射により人間を感知する「超音波式」などが主流でした。しかし、熱線式は夏場に周囲の温度が上がり人間の体温を検知するのが難しくなる、また超音波式は、雨や風などの天候の変化によって感知能力が低下するなど、それぞれに弱点を持っていることから、比較的精度の高い「光線式」が主流になったという経緯があるそうです。

現在主流の「光線式」自動ドアのセンサー

 とは言え、現在、全国の自動ドアの8~9割を占める「光線式」の自動ドアにも弱点はあるようです。

 同協会によると「光線式は床面と人との光の反射量の差を測定し、人間かどうかを判断します。正確な一方で『着ている服の色』『床の材質』などの要因で、光が反射しにくく反応しづらくなるケースもあります」とのこと。着ている服の色では、床の色と近い色、つまり床が黒い場合には黒い服を着ている場合に反応しづらくなるそうです。逆に、テカリがあるなど光が反射しやすい素材は反応しやすいそうです。

 一方、“床の材質”が要因となるケースですが、例えば、床がじゅうたんのような素材であったり、マットが敷かれていたりする場合に、服の素材と床面との光の反射量の差が小さくなり、検知能力が低下してしまうことがあるといいます。

 ただ、単純に機器の経年劣化やセンサーの汚れなどが原因となるケースもあり、「定期的にメンテナンスを行うことを推奨します」とのことです。

 便利な自動ドアですが、協会は「自動ドアは安全に使用してほしい」と注意を呼びかけます。かけ込むなどの無理な通行はもちろんですが、「ドアの斜めからの進入」も、ドアの開閉のタイミングが遅れて追突する恐れがあるとのこと。また、ドアの開閉が見えない「歩きスマホ」での衝突事故なども増えているそうです。

 自動車が急ブレーキを掛けても急に止まらないように、閉じかけている自動ドアも急には止まりません。無理な通り抜けはドアに接触する恐れがあり危険です。ドアが開いたことを確認してから通行しましょう。

 さらに同協会では、建物の所有者や管理者に対しても、このように呼びかけています。「自動ドアの安全な使用のために、その構造や、事故が起きやすい状況を知っていただくとともに、定期的な点検や部品の交換が必要であることをご理解のうえ、自動ドアを安全な状態に維持してくださいますようお願いします」。

 自動ドアが反応しない経験がある方も無い方も、改めて自動ドアの通行には気をつけてください。

(取材・文=宮田智也 / 放送作家)

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