サッカーの天皇杯(天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会)は、7日、準々決勝の4試合が行われ、ヴィッセル神戸は、同じJ1の鹿島アントラーズと、ノエビアスタジアム神戸で対戦し、0-1で敗れた。この結果、今シーズンのヴィッセルは天皇杯、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)、JリーグYBCルヴァンカップの3つのカップ戦ではベスト8止まりに。J1リーグ戦でも17位と残留争いを強いられているなか、残り8試合で首位の横浜F・マリノス(勝点52)との勝点差が28と離れたこともあり、リーグタイトルやACL出場圏獲得の可能性も完全に消滅。今シーズンの無冠が確定した。
今回の天皇杯では、直近のJ1リーグ戦から先発を9人入れ替えたヴィッセル。スターティングメンバーはGKが飯倉大樹選手。DFが右から尾崎優成選手、槙野智章選手、小林友希選手、初瀬亮選手。ボランチには右に小林祐希選手、左に扇原貴宏選手。2列目に右から井上潮音選手、郷家友太選手、中坂勇哉選手。1トップには藤本憲明選手が入った。
対する鹿島は、GKがクォン・スンテ選手。DFは右から広瀬陸斗選手、関川郁万選手、三竿健斗選手、安西幸輝選手。中盤は右から樋口雄太選手、ディエゴ・ピトゥカ選手、和泉竜司選手、前線は右から仲間隼斗選手、鈴木優磨選手、アルトゥール・カイキ選手。岩政大樹監督はリーグ戦からGKを変えたのみで、主力を並べて勝ちにきた。
試合は、前半は膠着状態も、ヴィッセルは小林祐希選手と扇原選手のダブルボランチや槙野選手など、新たに出場機会を得た選手たちが各所で奮闘。前半15分にはセットプレーを契機にゴールへ迫るシーンも見せるが、シュートまでは至らない。17分には槙野選手のパスが自陣でカットされたところからショートカウンターを浴び、鈴木選手にシュートを打たれるが、そこはなんとかDFが身体を張りブロック。前半32分には相手のミスパスを敵陣で受けた藤本選手がゴールを狙うが、ボールは枠の外へ。その後、お互いにセットプレーなどでチャンスを作るが、結局前半はともにスコアレス。シュートはヴィッセルが1本、鹿島が2本、枠内はなしというなかでハーフタイムに入る。
両者メンバー交代なしで迎えた後半、最初にチャンスを得たのはヴィッセル。48分(後半3分)、小林祐希選手のフリーキックを藤本選手が頭でフリック、ゴール右手前の槙野選手にボールが流れて来たが、シュートを打ち切れず。ピッチでは、井上選手が太もも裏を痛めて52分(後半7分)に飯野選手と交代に。55分(後半10分)には、鈴木選手へのラフプレーで扇原選手に警告が与えられる。そこから、次第に鹿島の攻勢が目立つようになり、徐々に押し込まれていくと、均衡が破れたのは、62分(後半17分)。ゴールが生まれたのは鹿島だった。ヴィッセルはサイドから揺さぶられ、最後は鹿島のエース、鈴木選手にヘディングシュートを決められた。
反撃に出たいヴィッセルは、67分(後半22分)に選手交代を敢行。中坂選手と藤本選手に代えて、MF佐々木大樹選手とFW武藤嘉紀選手をピッチに送り込む。また、80分(後半35分)には郷家選手と扇原選手に代わり、DF菊池流帆選手とMF山口蛍選手も登場。残り10分で5枚の交代枠を使い切り、なんとか1点を取りに行く。しかし、選手を替えながら盤石の戦いを見せる鹿島を崩しきれない。87分(後半42分)には初瀬選手の左クロスに佐々木選手がヘッドで合わせたが、枠の上へ。アディショナルタイムが4分と掲示され、90+1分、90+3分とフリーキックのチャンスを得るなか、ヴィッセルサポーターの手拍子も大きくなり、場内の盛り上がりも最高潮に達するが、ゴールが遠い。4931人が集った試合は、結局0-1のまま終了。今シーズンのヴィッセルのタイトル獲得の可能性が、ここでついえた。
試合後、選手、スタッフが場内を一周してサポーターに挨拶を行ったが、選手たちの深くお辞儀する様子が目立った。
ヴィッセルは10日、J1リーグ戦第29節で名古屋グランパスと、ホームのノエビアスタジアム神戸で対戦する。