酒造大手「日本盛」(兵庫県西宮市)は20日、自社が管理運用するサーバーが第三者による不正アクセスを受け、社内システムに障害が発生したと発表した。原因や被害状況は調査中。
日本盛によると、不正アクセスとシステム障害は9月18日に発生、この日のうちにサーバーをネットワークから遮断した。19日に兵庫県警に相談している。
現在、 取引先との受発注システムがストップしており、FAXで対応している。 さらに日本酒や化粧品、健康食品のオンラインショップを閉鎖したため、商品の注文は電話やFAXで受け付ける。
攻撃には、身代金要求型の悪質なコンピューターウイルス「ランサムウエア」が使われた可能性もあるという。個人情報などの流出は、現時点で確認されていない。 今後は専門家を交えて、被害状況や不正アクセスによる具体的な要求の内容について調査する。
日本盛は「お客様ならびに取引先の皆様に多大なご迷惑とご心配をかけ、深くおわび申し上げます」としている。
■なお日本盛は通販事業に関して、消費者向け相談窓口を設置している。
電話 0120-878-906(受付時間 月~土曜日 9:00~21:00 ※日曜日を除く)
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警察庁によると、従来の「ランサムウェア」は、不特定多数の利用者を狙って電子メールを送信するといった手口が一般的だったが、2020年ごろから特定の個人や企業・団体等を標的とした手口に変化しており、企業のネットワーク等のインフラを狙うようになったという。
また、データの暗号化のほかデータを窃取したうえで、企業などに対し「(データの復元のための)対価を支払わなければ、当該データを公開する」と脅迫して金銭を要求する手口も確認されている。
企業・団体等におけるランサムウェア被害として、2021年に全国の警察に報告のあった件数は146件(上半期61件、下半期85件)、2022年は上半期だけで114件と急増している。