1980年代、子どもたちの間で大ブームとなった「ウォーターゲーム」。ボタンを押してぷかぷかと浮かべた輪っかを棒に入れるという、シンプルながら思わず夢中になってしまうゲーム性が、当時の子どもたちを虜(とりこ)にしました。
株式会社Kukkiaがプロデュースする木のおもちゃブランド「kiko+(キコ)」では、昭和レトロなウォーターゲームを新たに木製のオシャレなおもちゃとして販売しています。今の時代に改めてウォーターゲームを発売するに至ったきっかけや、木を使うことに対してのこだわりについて、クリエイティブディレクターのKaz* shiomiさん(以下、Kaz*さん)に話を聞きました。
――誕生したきっかけは?
【Kaz*さん】 もともと2007年から『gg*』という木のおもちゃブランドを立ち上げ、木製のおうち型お絵かきボード「oekaki house」や、積み木などを作り、販売していました。その後、「より手軽に多くの子どもたちに遊んでもらいたい」という思いから、2011年にネオンカラーを採用したポップなデザインのセカンドブランド『kiko+』が誕生しました。wakkaもその『kiko+』から生まれたおもちゃです。
『kiko+』では、『gg*』で培った木を使うことに対してのこだわりと、「誰もが知っているおもちゃ」というのをヒントに、ノスタルジー要素の強いものを作りたいと思っていました。wakkaはそのなかのひとつとして誕生し、実際に発売が開始されるまでに1年ほどかかりました。かなりの愛が詰まった商品です。
――木にこだわる理由とは?
【Kaz*さん】 私の祖父が大工だったため、子どものころは工房でよく遊んでいたんです。カンナ削りで出た木くずでおままごとをしたり、木のドールハウスなんかもよく作ってもらいました。私は「こうしてほしい!」というこだわりが強く、言ったものに対して祖父はよく形にしてくれていましたね。思い返せば、小さなころから既にディレクションをしていました(笑)。
大人になり、この会社を設立する前に勤めていた某玩具メーカーでの出張で、とある玩具工場を訪れました。木くずが舞っている様子やにおい、機械の音……。子どものころに過ごした祖父の工房がフラッシュバックしました。その時に改めて「私はやっぱり木に携わったものを作っていきたい」と強く確信し、独立した現在は、木の温もりを感じられるこだわりのデザインのおもちゃを作るようになりました。
――「wakka」はどのような方が購入されますか?