劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西「平田オリザの舞台は但馬」)に、俳優の坂口修一さんが出演。愛嬌のある風貌と安定した演技で多くの舞台に招かれる関西屈指の実力派俳優に、「豊岡演劇祭2022」の印象や9月下旬に行われた韓国大田(テジョン)演劇祭の話などを伺った。
坂口さんは、関西大学に入学した1993年より芝居を始め、2007年には毎週火曜日に異なる内容の演目を1人で1年間行う「火曜日のシュウイチ」を上演し話題を呼んだ、いま関西で注目される俳優のひとりだ。
兵庫県豊岡市にある文化施設「豊岡市民プラザ」がすすめる演劇プロジェクトとして開催されている作品に初回から参加しているとあって、地元飲食店の名前がとびかう楽しい放送となった。
ちなみに、同演劇プロジェクトは、2016年から南河内万歳一座の座長である内藤裕敬さんを作・演出に迎えた、プロと市民が共演するという作品だ。
「豊岡演劇祭2022」では、市民プラザの作品とは別にフリンジでリーディング公演も行われた。
悪役レスラーの父親とそんな父をどうしても好きになれない息子が衝突を繰り返しながらも、やがて本当の絆を結ぶまでを描く中島らもさんの短編小説を、「プロレス好きの小学校教諭」が解説しながら読み進めるというパワフルな『巻き込み型』のリーディング公演は、出石明治館という味わいある木造建築という環境もあいまって、観客にも大好評だったという。
「僕がジーンとしたのは近くにお住まいの方がチケットを早くから買ってくれたこと。当日は近所ゆえに油断して遅れて来られたんですが(笑)。終わったあと、その方は鳴りやまない拍手をひとりで作ってくれて。アンケートも熱心に書いてくださって……。うれしかったですね」(坂口さん)