子どものころ、図工の時間に大活躍していた文房具「どうぶつのり(フエキ糊)」。昭和50年、「かわいい容器で楽しい工作」というコンセプトのもと「フエキ糊どうぶつシリーズ」として、不易糊工業株式会社(大阪府八尾市)から発売されました。2008年には「フエキくん」としてキャラクターデビューも果たし、現在では200種類以上ものグッズが展開されています。
グッズ展開はコスメやステーショナリーなどのアイテムが中心ですが、2021年に食べられる海苔として「フエキ海苔」の発売が開始。ダジャレ要素の入った商品としても人気が高く、子どもたちだけでなく母親世代の方からの反響も大きいのだそう。「フエキ海苔」をはじめとしたフエキくんグッズ開発のきっかけについて、企画開発を行っている、株式会社ヘソプロダクション(大阪市福島区)の稲本さんに話を聞きました。
――開発のきっかけは?
【稲本さん】 フエキ糊が大阪で作られているということが、あまり知られていなかったのがきっかけでした。全国の人にとって、フエキくんが大阪の新しい名物となるように育てたいと思い、グッズ開発が始まりました。お土産売り場でも「関西限定」という文言や「大阪生まれの」「大阪育ちの」など、大阪で誕生したことを打ち出すようにしています。
――「フエキ海苔」開発の経緯は?
【稲本さん】 ダジャレになる「海苔」の販売は必要だと思っていました(笑)。ただ、開発には意外と苦労しまして……。はじめは、容器の中に直接海苔を入れようとしていたのですが、海苔の色が容器に映り、フエキくんの顔色が悪くなったり……(笑)。そうならないよう、現在はフィルムに海苔を詰めて販売しています。
――売れ行きはいかがでしょうか。
【稲本さん】 佃煮と板海苔の2種類を販売しているのですが、板海苔の方が売れていますね。お子さんを持つお母さん方が、お弁当に彩りを加えようと購入されることが多いです。