だし巻き、茶碗蒸しにケーキ……。ジャンル問わずさまざまな料理に使われ、我々の食卓で大活躍するたまご。
農林水産省が発表する鶏卵流通統計調査結果によると、令和3年の鶏卵生産量は257万4255トンだという。
たまごを生産するため、日本各地に数多くの養鶏場が存在し鶏(にわとり)が育てられているが、日本生まれ・日本育ちの、いわゆる『純国産鶏』は国内でわずか4%ほどしかいないのだそう。
そんな貴重な日本在来の鶏『もみじ』と『さくら』を育てている養鶏場が淡路島にある。島の北部に位置する『北坂養鶏場』(兵庫県淡路市)だ。代表を務める北坂勝さんに、鶏やたまごに込めた思いを聞いた。
北坂養鶏場で販売しているたまごは『もみじ』と『さくら』から産まれた2種類。
『もみじ』は、はっきりと濃厚な黄身の存在を感じることができる“生食専用”。もうひとつの『さくら』は白身に粘りとコクがあり、製菓など料理に最適。実際、パティシエ達からの厚い信頼を得ているという。
「おいしいたまごを作るためには元気で丈夫な親鶏を育てることが大事。そのため、ひよこの時から手間ひまかけて育てあげます」(北坂さん)
ひよこの健康面を左右するエサにはとくに気を遣うという。
「エサは一部発酵させた当養鶏場オリジナルのものを与え、水は汲み上げた地下水を使用しています」(北坂さん)
また、鶏の育成には良質な環境も必須だという。
「人間と同じで、鶏もストレスがかかる環境はNG。私たちが扱うのはとくに希少・貴重とされる純国産の鶏です。風が通る開放型の鶏舎で育てるなど飼養環境の整備にも力を入れていますね」(北坂さん)