世界で最も成功したインディーレーベルと言われる「クリエイション・レコーズ」をつくった男。1990年代のイギリスで、オアシスなど人気バンドを次々と手がけた音楽プロデューサーの波乱万丈の人生を描く、映画『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』が10月21日(金)、全国ロードショーされます。
1970年代後半、イギリス・スコットランドのグラスゴー。物語の主人公は内気な少年アラン・マッギーです。アランの夢はマーク・ボランやデヴィッド・ボウイのようなロックスターになることです。
アランは、セックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」を聴いて鳥肌を立てます。パンクロックに夢中になり、自分でもバンドをやりたいと考えます。ところがアランの父親は保守的で、ロックを毛嫌いしています。
「うちは堅い家だ。“セクシー・ピストルズ”の名を言ったら後悔するぞ。このシャツもパンクってやつだろ。脱げ。マヌケな格好だ」
アランと父親は考え方も性格も正反対でぶつかってばかり。家族の中で母親だけがアランの味方でした。
アランは18歳になると、地元の友人と一緒にロンドンへ出て、バンドを結成します。音楽活動では生活できず、鉄道会社に就職。給料でロックファン向けの雑誌を発行します。
さらにアランはライブハウスを始めます。ここで、インディー・バンド「テレヴィジョン・パーソナリティーズ」を知り、アナーキーでカオスなパフォーマンスに強く惹かれます。メンバーや友人たちとインディーレーベル「クリエイション・レコーズ」を設立するのですが、自分は音楽を演奏するよりも、マネージャー業や裏方の仕事の方が向いていることに気づき、バンドを売り出すことに興味を抱きます。
アランは天才的な宣伝センスを発揮してレーベルを発展させる一方、ドラッグに夢中になります……。
今作はアランの自伝を原作に、波乱に満ちた人生を映画化したものです。
90 年代にロック・シーンを席巻した「ブリット・ポップ」として、クリエイション・レコーズが次々と人気バンドを送り出しました。オアシス、プライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどです。
物語の後半で、オアシスを発掘する場面が出てきます。アランは実家のグラスゴーからロンドンに戻る途中で列車に乗り遅れ、ライブハウスにふらりと立ち寄ります。ここで偶然、今夜のスケジュールにはなかったバンドが飛び入りで演奏するのですが、これが無名時代のオアシスでした。