サッカーの明治安田生命J1リーグは29日、第33節の9試合が行われる。現在5連勝中、勝点40で10位のヴィッセル神戸は、2位の川崎フロンターレ（勝点60）と、アウェイの等々力陸上競技場で対戦する。キックオフ予定は午後3時。
22日に、他チームの結果により、J1残留条件となる15位以上が確定した、ヴィッセル。前半戦終了時には最下位に沈み、一時はJ1残留圏内と勝点8差に開くなど窮地に立っていたが、今シーズン4人目の監督となるクラブのレジェンド・吉田孝行氏のもと、後半戦では9勝をマーク。後半戦15試合を見れば、リーグトップの勝点を稼いでいる。自慢のタレントがかみ合って5連勝を果たしたなか、残り2試合ではリーグのトップ2と対戦。その第1弾では、王者・川崎Fに挑む。
この一戦で注目は、エースストライカーのFW大迫勇也選手。今シーズンは序盤からけがに悩まされてきたが、7得点のうち、後半戦だけで6得点を記録。アシストも含めて、チームの勝利に貢献する場面が続いている。特に、後半戦のJ1残留争い直接対決では、第20節清水エスパルス戦、第21節ジュビロ磐田戦、第30節ガンバ大阪戦、そして直近の試合である第27節（延期分）湘南ベルマーレ戦で、値千金の決勝点を奪うなど、勝負強さは抜群だ。
湘南戦後、「これまでけがでチームに迷惑をかけた1年だったが、やっといい身体でサッカーができるので、これからはしっかりとチームの助けになりたい」とコメントした大迫選手。状態もトップフォームに近い今、11月1日に発表されるFIFAワールドカップカタール2022の日本代表メンバー入りも待望されるなか、その実力の片りんを、川崎の地でも示したいところ。「（最後2試合の相手はトップ2だが）やるべきことは変わらず、相手は優勝がかかっているので、僕らも同じ熱量で戦いたい」と気合い十分のストライカー、その活躍からは目が離せない。
12日の湘南戦後、約2週間半ぶりの公式戦に臨むヴィッセル。その調整期間中に大黒柱のキャプテン・MFアンドレス・イニエスタ選手と、後半戦から加わったDFマテウス・トゥーレル選手が、ピッチ上での全体練習に合流。また、3月途中に負傷後、全治8か月と診断され、懸命のリハビリの最中であるMFセルジ・サンペール選手も全体練習で元気な姿を見せるところまで戻ってきた。サンペール選手については入念なリハビリの途中ということもあり、今シーズン中の復帰は難しいようだが、イニエスタ選手とトゥーレル選手については、残り2試合でのプレーも楽しみなところだ。ただし、彼らの不在時に活躍が目立ったMF小林祐希選手、DF小林友希選手の両「コバヤシユウキ」もいまのチームの大きな力となっているだけに、今回、どのような陣容で川崎F戦に乗り込むのか、メンバー構成も楽しみだ。
J1残留というノルマを達成したなか、ヴィッセルの次なるターゲットは、クラブ記録となる同一シーズンでのJ1リーグ戦6連勝への挑戦。「相手は優勝争いをしていてモチベーションは高いと思うが、自分たちはチャレンジャーとして、そのモチベーションに負けないよう、アウェイですが、勝点3をとって帰りたい。また、今、5連勝中で、そういう（6連勝という）クラブ記録もかかっているので、そこもモチベーションとして頑張っていきたい」と試合前日に述べたのは、吉田監督。タイトル獲得に手が届かなかった悔しさがあるなか、記録で今シーズンのチームの実績を示したい。
