活動拠点があった地での大規模「具体」展 大阪中之島美術館・国立国際美術館 共催 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

活動拠点があった地での大規模「具体」展 大阪中之島美術館・国立国際美術館 共催

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

 1954年、芦屋で結成された美術家集団・具体美術協会。その活動拠点「グタイピナコテカ」が置かれた大阪・中之島で、初めてとなる大規模な「具体展」が、大阪中之島美術館と国立国際美術館で開かれている。2023年1月9日(月・祝)まで。

 具体美術協会(具体)は、1954年、画家の吉原治良を中核に結成された美術集団で、会員たちが枠にとらわれずそれぞれの独創を模索して作品を発表してきた。1972年に吉原治良の逝去をきっかけにその活動に幕を閉じるが、その18年の軌跡は、今や国内外で大きな注目を集め、戦後日本美術のひとつの原点として、半ば神話化されている。

 活動拠点「グタイピナコテカ」が建設された大阪・中之島には、2022年2月に開館した大阪中之島美術館と、道路1本を隔てて国立国際美術館が建つ。具体が解散して50年という節目の年に2館同時開催という類い稀な形で、「分化と統合」というテーマの下、新しい具体像の構築を目指す。

大阪中之島美術館
大阪中之島美術館

 大阪中之島美術館では、「分化」をテーマに作品を展示する。「空間」「物質」「コンセプト」「場所」の4つのキーワードをもとに、作家それぞれの制作に注目し、それぞれがどのようにして「オリジナリティの実像を浮かび上がらせるのか」に迫る。

 田中敦子の「電気服」。夜のネオンから発想を得たという。点滅する色とりどりの光が放射状の伸び、空間全体を包みこむかのような迫力を生み出す。会場では、30分に一度、1分間のみ点灯される。また松谷武判の「繁殖65-24」は、ビニール接着剤をキャンバスに流し、表面がある程度の厚さまで乾いたところにナイフを入れ球状に開いた作品。

「人のまねをするな、今までにないものをつくれ」という吉原治良の言葉がある。具体の「象徴」ともいえる言葉として語り継がれている。会場にはそれぞれが追求した表現による様々な作品が並ぶ。

 大阪中之島美術館の菅谷富夫館長は「隣り合った美術館の共催という形はありそうでなかった。実現したことをうれしく思う。また具体の代表作が一堂に、この中之島に集まるという機会もなかなかない。」と話す。

大阪中之島美術館 国立国際美術館 共同企画 「すべて未知の世界へ­­­ー­GUTAI 分化と統合」
会場:大阪中之島美術館(〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1)5階展示室
国立国際美術館(〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-55)地下2階展示室
会期:2022年10月22日(土)~2023年1月9日(月・祝)
開館時間:10:00~17:00
※国立国際美術館は金・土曜20:00まで(入場は閉場の30分前まで)
休館日:月曜(ただし、1月9日[月・祝]は両館開館/1月2日[月・休]は大阪中之島美術館のみ開館)
※大阪中之島美術館は12月31日(土)、1月1日(日・祝)休館
※国立国際美術館は12月28日(水)~1月3日(火)休館
観覧料(税込):2館共通券2,500円
大阪中之島美術館 一般1,400円、大学生1,100円
国立国際美術館 一般1,200円、大学生700円
2館とも高校生以下・18歳未満無料(要証明)
問い合わせ:大阪中之島美術館06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
国立国際美術館 06-6447-4680(代)

LINEで送る

関連記事