「いい音を“時短”で作ることができるのが現代の特徴」 ELT・伊藤一朗が語る、『音楽』の今と昔 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「いい音を“時短”で作ることができるのが現代の特徴」 ELT・伊藤一朗が語る、『音楽』の今と昔

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 TRFのDJ KOOがパーソナリティをつとめる『DJ KOO×REBOOT THE WORLD』(ラジオ関西)では、音楽をはじめとしたさまざまなテーマについてDJ KOOがトークを繰り広げ、リスナーの元気をリブート(再起動)させる。1月7日の放送回では、前週に引き続きEvery Little Thingのギタリスト・伊藤一朗さんがゲストとして登場。今回は、伊藤さんが感じている「今と昔の音楽の変化」をはじめ、音楽にまつわる話題を中心に話を聞いた。

Every Little Thingの伊藤一朗さん(写真左)、DJ KOO(同右)

 1996年にEvery Little Thingがデビューしてから、はや27年。常にギターとともに過ごしてきた伊藤さんに「90年代と今とで、ギターを弾くときに変わったことはある?」とDJ KOOが尋ねると、伊藤さんはこう語った。

「ギターって結局、鳴らせる場所がないとダメだなと思っていたんですよ。たとえば海外の有名ミュージシャンだと、広いスタジオと腕のいいミュージシャンを用意して、さらにレコーディング、機材代もかけて……。要は『リッチじゃないとリッチな音は作れない』と思っていたんですけど、今はいわゆるバーチャルシミュレーターなどが出てきたことで、良し悪しはさておきどんどん効率がよくなっている。手軽に仮想的にパッチングするだけでいい音ができて、時短になるのがいいなと思いますね」(伊藤さん)

 DJ KOOも「昔は大きな機材やケーブルが必要だったけど、今はPCのシミュレーターやソフトをテーブルの上で調整するだけでその通りの音が出てくる。さらに、その再現性はすごい」と同意する一方で、「極論かもしれないけど、人が弾いて、シールドからアンプにいってエフェクターを通して出てくる音が好き。『本物の音』というか……。個人的には、音のたちかたとかは人が弾いている方が(好き)」と語った。

 このコメントを受け、伊藤さんは「それはたぶん、KOOさんも僕も『本物の音』を体験したことがあるから比べてしまうんでしょうね。若い方はそれを知らないので。でも、最高だと思うものは人によって違っていて、だからこそ(音楽にも)キャラがあるんだと思います」と独自の見解を述べた。

 次の話題は、伊藤さんの作曲について。Every Little Thingのギタリストを務めるかたわら、ソロ活動も行っている伊藤さんに“ソロならでは”のこだわりがあるのか尋ねてみた。

「やっぱりメロディラインを自分で決めることですね。歌ものをやっていると歌う人のフィーリングを優先するんですけど、ソロの場合はそれも自分で決めて書く。その瞬間に『音楽を作ってるんだなあ』と感じますね」(伊藤さん)

 そう語る伊藤さんに、作曲する際の手順について質問すると「最初に作り始めるのは、コードとリズム。メロディは、頭の中で五線譜のように縦に音を積んで、それを紙に書いたりしています」と回答。リズムに関しては、「ループを使ったアンビエントな雰囲気はいまだに好きですね。リズムは存在するんだけど、それを感じさせない。それにハマっている」と語った。

 番組終盤の話題は、昨年の振り返りと今年の抱負について。2022年を振り返った伊藤さんは、「世界的にもいろいろと悪いニュース、よいニュースがありましたが……。月並みですけど、そういうなかでも怪我も病気もせずに年を越せたというのは、すごくありがたいなと思います」とコメントを残した。

LINEで送る

関連記事