中井貴一が古美術商、佐々木蔵之介が陶芸家に扮して、だまし合いをするコメディーの第3作。今回は豊臣秀吉にからんだ幻のお宝で一攫千金を狙います。映画『嘘八百 なにわ夢の陣』が公開中です。
主人公は、骨董品をめぐってバトルを繰り広げてきた2人。目利きの古美術商なのですが大物ばかりを狙うため空振りが続く小池則夫(中井貴一)と、腕のいい陶芸家なのですがパッとしない野田佐輔(佐々木蔵之介)です。
ある日、則夫に「大坂秀吉博」というイベントを開催する実行委員会から連絡がありました。
世間ではちょうど、大阪城跡から茶碗のカケラらしきものが出てきたとニュースになっています。「秀吉七品」は豊臣秀吉の出世を後押ししたと言われるお宝で、草履や兜それに軍配団扇など7つのうち6つが現代に残っているのですが、7つ目の「鳳凰」と呼ばれる光輝く器の存在が明らかになっていません。
則夫は、実行委員会のメンバーから“先生”と呼ばれておだてられ、歴史通として鳳凰についてレクチャーします。すると実行委員会の顧問が、大阪万博の「月の石」のように鳳凰を秀吉博の目玉にしたい、と言い出します。則夫は「手に入れるのは難しい」と答えるのですが、顧問は真顔で言います。
「こしらえたら、ええんとちゃいます?」
「はい?」
そこで則夫は考えました。腕利きだけどしがない生活を送る陶芸家・佐輔と組めば一儲けできるのではないか。佐輔に贋作を作らせようという案です。
「俺と秀吉のロマンをひも解いてみないか」
則夫は行きつけの居酒屋で、謎のカリスマ波動アーティスト・TAIKOH(安田章大)の噂を聞きました。描いた絵がご利益のある波動を出すと評判で、カリスマ的な人気があるというのです。
一方、佐輔のもとにはTAIKOHの絵画や怪しげな‟波動水”を販売する「TAIKOHクリエイション」から仕事の依頼があります。秀吉にお茶を点てる茶碗を焼いてほしいという依頼で、報酬として百万円を提示されます。
佐輔の家には百万円の支払いを促す督促状が届いていて、妻の康子(友近)が波動アートに大金をつぎこんでいたことが分かりました。