ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)1月9日放送回では、「2022-23 Yogibo WEリーグ」第8節のINAC神戸レオネッサ対アルビレックス新潟レディース戦について、番組パーソナリティーの近藤岳登と赤崎夏実(※「崎」=たつさき)が振り返った。
1月8日(日)、ホームのノエビアスタジアム神戸で新年最初の試合に臨んだINAC神戸。今回は、WEリーグと「第31回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」決勝戦とのダブルヘッダーとなったことで、WEリーグの新潟L戦は午前10時33分と、午前中のキックオフで開催された。
INAC神戸は、トップチームの選手3人、チームスタッフ1人に新型コロナウイルス陽性判定が出たため、ホームチームは15人の登録メンバーで試合に臨む非常事態に。この一戦ではリーグ戦で4得点ずつ記録しているFW田中美南選手とFW高瀬愛実(※「高」=はしごだか)がメンバー外に。一方でプロ1年目のMF箕輪千慧選手が左サイドでWEリーグ初先発した。
新潟L戦では、前線で先発起用された愛川陽菜選手が前半12分にWEリーグ初ゴールとなる先制点を記録。後半に一時、新潟Lに同点弾を許したINAC神戸だが、試合終了間際、右MFの守屋都弥選手が中央突破から豪快なミドルシュートを決めて勝ち越し。劇的な一撃により2-1で勝利したINAC神戸は、ウインターブレイク直前の一戦で貴重な勝点3を獲得。前半戦を無敗で折り返すとともに、次週にやってくる大一番、「皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会」準々決勝の三菱重工浦和レッズレディース戦に大きな弾みをつけた。
今回の試合のハイライトとなったのは、決勝点となった守屋選手のスーパーミドルだ。そのシーンについて「しびれた!」と率直な感想を述べたのは、番組パーソナリティーで元Jリーガーの近藤。「守屋選手はあの(最後の)時間帯まで何度も何度もアップダウンをしていて、後半も一時ビッグチャンスを外していたので、もう決めきれないかと思っていたら、もっともっと大事な最後の最後、アディショナルタイムに(決勝ゴールを決めた)。あそこ(ハーフウェーライン中央)にポジションをちゃんととって、ターンして、ドリブルを仕掛けて、その勢いのままシュートを打って、入る。すごいよね、あのシーンではひとりで完結したから」と、ゴールの過程も含めて絶賛する。
また、近藤は同じ右サイドを主戦場としていたプレーヤーの先輩として、右サイドの選手の心理や、守屋選手の度胸のよさなどを次のように解説する。
「(もともとは)右サイドの選手なので、あのポジションでボールを受けると、本来なら不安なのよ。(普段は)右にはサイドラインしかないから、右からは誰も来ない。左前方を見ておけば全部把握できるというポジションだから、意外と視野としては楽なんだよね。見やすいし、顔を上げやすいし、最後に敵がきても敵に当てて出せばスローインにすることができるという状態なんだけど」
「あの時間帯に、流れ的にあのポジショニングになったけど、普通の選手ならあそこでボールを受けたら、すぐに周りに(パスを)はたいたりするもの。真ん中にいると、ちょっと怖いから。それを、相手の動きをしっかり見て、タイミングも、『あっパス出さないんだ……出さないんだ……ドリブルするんだ』というような、周りを見ながら判断したドリブルに入って、どうするのかなと思って見ていたら、まさかの足を振って、そのまま入る。これが今年の守屋都弥選手のすごさかなと思わされた」
「最後に守屋選手の思い切り(のよさ)が出たところに、今年のINAC神戸の強みを感じる。『自分で決めるんだ』という個々の強い思いなどが。特に守屋選手は(普段は)アシストをすることが多い選手だから、あの場面でもなんとなくアシストに走っちゃいそうな感じもあるなか、最後は自分で決めようと(シュートを打った)。その前に、後半、シュートを外したシーンもあったが、自分で行く姿勢がすごく見えて良かった」