女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサを応援するラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)1月16日放送回では、1月15日に行われた「皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会」準々決勝の三菱重工浦和レッズレディース対INAC神戸レオネッサ戦について、番組パーソナリティーの近藤岳登と赤崎夏実(※「崎」=たつさき)が振り返った。
今シーズンのWEリーグで首位を争う2強の直接対決となった皇后杯準々決勝、INAC神戸と浦和Lの一戦。カンセキスタジアムとちぎで午後6時3分にキックオフ、気温7.4℃、雨が降りしきるなかでの試合では、序盤から浦和Lに主導権を握られたINAC神戸だが、前半にMF成宮唯選手の2得点で先制に成功。しかし、後半途中、キャプテンのDF三宅史織選手が負傷交代を余儀なくされ、さらにその4分後には失点するなど、相手の反撃に苦しむことも。それでも、GK山下杏也加選手の再三にわたる好セーブなどもあり、なんとかしのいだWEリーグ初代女王は、2-1と勝利。「事実上の決勝戦」といわれた戦いを制し、2019年度の第41回大会以来となるベスト4に駒を進めた。
今回の試合では、1週間前のWEリーグ戦同様、エースFW田中美南選手がベンチ外となったINAC神戸。MF水野蕗奈選手も負傷により長期離脱中など、けがやコンディション不良で複数の選手を欠くなかでの戦いとなったが、今シーズン好調を維持するMF守屋都弥選手がこの日も2アシストで勝利に貢献すれば、ハードワークが際立つ成宮選手が値千金の2ゴール。本職ではない左サイドに入ったDF竹重杏歌理選手をはじめとする若手らも奮闘。浦和Lに18本のシュートを浴びせられながらも失点を1に抑え、リーグ戦に続いて宿敵を撃破した。
番組パーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登(ヴィッセル神戸や水戸ホーリーホックなどで活躍)は、「いろんなアクシデントが起きたなかでも、代わりに入った選手もきっちり試合を締めて勝ち切るところに、今シーズンのINAC神戸の強さがある」「終始ゲームのペースのリズムを握っていたのは浦和Lだったが、ヒヤヒヤした(緊迫した)試合を勝ち切るというところは、昨シーズンより(チーム力が)一段階強くなっている部分だと思う」とコメント。
殊勲の選手の1人には、皇后杯では2試合連続先発となり、先制点に絡むなど存在感を発揮したMF山本摩也選手をピックアップ。「ほかのチームにいけばスタメンで全然出られるレベルの選手。キックの精度や試合を落ち着かせる能力も高い。その選手がなかなかINAC神戸ではスタメンで出ることが少なかったが、ここ一番の試合に出て、きっちり仕事をこなすところがすごい」と、今シーズン、スペインから逆輸入で加わったプレーメーカーに賛辞を送った。
また、大黒柱の三宅選手が負傷交代となっても動揺せず、代わりに入ったMF脇阪麗奈選手をボランチに送り込み、竹重選手を本職のセンターバックに、そしてマルチローラーのMF伊藤美紀選手をボランチから左サイドに回して、相手の攻撃を耐えたINAC神戸。朴康造監督の采配や、チームとして流動的に動いて難局を乗り切ったところも、元Jリーガーの近藤は評価していた。
そして、この一戦のGK山下選手の圧巻のゴールキーピングを称賛することも忘れない。
「山下選手が止めることが当たり前だと思っちゃってるぐらい普通にセーブするから、(安定しすぎて)確かにちょっと忘れがちではあるけど、すごいよ! ディフェンスラインは山下選手がいることで、どれだけ気持ちが楽かなと。昨シーズンのWEリーグMVPだからもちろんなんだけど、ちょっと次元の違うGKがいる、すさまじい人が後ろにいるというと感じがするわ」(近藤)