マイクを覆い隠すように握って歌うのはよろしくない?!…マイクの特徴「指向性」や分類に注目 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

マイクを覆い隠すように握って歌うのはよろしくない?!…マイクの特徴「指向性」や分類に注目

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 ラジオ局のスタジオでしゃべり手の声をひろうなど、ラジオの音に欠かせない「マイク」(マイクロフォン)。その分類は、使う意図によっても変わります。そんなマイクの分類について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。

色々な種類のマイク
いろいろな種類のマイク

 いろいろな種類のあるマイクですが、主に「ダイナミック・マイクロフォン」(ダイナミックマイク)と、電源が必要な「コンデンサー・マイクロフォン」(コンデンサーマイク)が使われています。そのマイクは、「指向性」という特徴を持ち、それによっても区分けされます。

 マイクの「指向性」とは、音がマイクのどの角度から入って、どんなふうに音の感度が変わるかというもの。マイクがどれだけ音をひろうか、ということです。マイクのすべての方向の感度が等しいものは「無指向性」のマイクと言います。無指向性のマイクは、ラジオ業界ではよく公開放送イベントなどで、会場の全体のにぎわいの音をひろうときに使います。クラシックコンサートの収録などでも使われます。

 一方、「双指向性」といわれるマイクは、前後の感度が等しく、横からの感度がゼロの指向性になります。これらのマイクは、ラジオの対談で向かい合って話すときに使っているイメージがある人もいるでしょう。

 そして、「単一指向性」のマイクは、全面の感度が一番高く、横からの感度が少なく、真後ろの感度がゼロ、というものになります。単一指向性のマイクはPA(音響担当)の現場で使われていますが、よくロックバンドのボーカルがマイクを覆い隠すように握っていることがあるのですが、これは、マイクの指向性を変えてしまう原因になって、ハウリングのもとになってしまうので、やらない方が良いです。

 マイクの指向性は、マイク自体についているスイッチなどで変更できるタイプもありますので、使い道によって切り替える必要があります。

 また指向性だけでなく、マイクは使い道によっても、いろいろな名前で分類されます。例えば、同じマイクでも、人の声をひろうマイクは「ボーカルマイク」、ステージのセンターにあると「センターマイク」、スタンドに立っていると「スタンドマイク」と言ったりします。楽器を拾うマイクは「インストゥルメント・マイク」とも言います。管楽器に取り付ける「コンタクトマイク」や服などにクリップでつけて声をひろう「ラべリアマイク」、演劇の舞台などで床に置く「バウンダリーマイク」というのもあります。

 最近は「骨伝導イヤホン」というのもよく見かけますが、喉にマイクをつけて喉の振動をひろうことができる特殊なマイクも登場しているようです。いろんなマイクの特性を知っておけば、いろんな場所で便利に使えそうです。新しくマイクを買うときには、指向性もチェックしてみるのもいいかもしれません。

※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2023年1月15日放送回より


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【放送音声】2023年1月15日放送回

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おしえて!サウンドエンジニア ~ギジュツLOVE~ | ラジオ関西 | 2023/01/15/日 09:45-09:50

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