神戸市兵庫区の集合住宅で22日に起きた火災を受け、神戸市の久元喜造市長は、23日、記者団の取材に応じ、亡くなった人に対して哀悼の意を示すとともに、被災した人に対する支援を行っていくと話した。
被災した人の多くは他の集合住宅に移ったり、移る準備を進めている。希望者には市営住宅に入ってもらう手配もするという。また被災した人の多くは生活保護受給者であることから、ケースワーカーらとともに対応していくとした。
久元市長は、今回の火災によって、厳しい状況にあるとともに身寄りのない高齢者の存在が改めて浮き彫りになったと指摘し、「神戸市は従来から生活支援課を中心に支援してきたが、改めてNPOなどとの連携を強め、必要な支援を備えて強化しないといけないと感じた」と話し、令和5年度の予算に組み込んでいく方針を示した。
今回、火災があった集合住宅は1963(昭和38)年に建てられた。消火器や火災警報器の設置などに不備はなく、法令違反も見つかっていない。ただ、火災が起こる恐れはどこにでもあるとして、久元市長は火災予防の観点から、市内の建物への査察を行う方針を示した。
神戸市消防局の栗岡由樹予防部長は「まずは古くて規模が比較的小さく、収容人数が多い、また専有面積が小さい建物から消防法に基づく査察を進めていきたい」とした。できるだけ早急に取り組みたいとし、問題があれば注意喚起を行っていくという。