2月はほうき星をさがす! 2023年2月の星空散歩 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

2月はほうき星をさがす! 2023年2月の星空散歩 

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 2023年2月。注目したいのがZTF彗星(C/2022 E3)。この彗星は、2022年3月2日に、アメリカ・カリフォルニアにあるパロマ―天文台「ツビッキートランジェント天体探査装置(Zwicky Transient Facility)」チームによって発見された。

 このチームはこれまでにも彗星を発見しているが、今回の彗星は「C/2022 E3」。2022年の前半(E)の期間内に発見された3番目の彗星(Comet)という表記になっている。

ZTF彗星 2023年1月20日 電子望遠鏡で撮影 画像提供:明石市立天文科学館
ZTF彗星 2023年1月20日 電子望遠鏡で撮影 画像提供:明石市立天文科学館

 この彗星は2022年3月2日、太陽から6億キロほど離れた場所で発見された。太陽系の内側にやってくるにつれてだんだんと明るくなってきており、2023年1月13日には、太陽からおよそ1億6600万キロの距離まで到達、この後太陽系の外側へと向かっている。

 太陽系を離れるともう見ることはできない。地球にもっとも近づくのは2月2日で、明るさは5等級。明石市立天文科学館によると、双眼鏡で見えるような明るさになっている。1月下旬から2月にかけては北極星付近にあり、一晩中観察できる。その後、冬の星座の間を進む。11日には火星の近く、15日にはアルデバランの近くで見ることができそう。

 彗星というと「ほうき星」と言われるが、その尾はずっとあるわけではなく、太陽に近づいた短い期間だけ見える。この彗星はチリの尾が目立つとされ、望遠鏡を使えばその姿を捉えられるかもしれない。

 ところで、彗星と流れ星とはどう違うのか。流れ星は「直径数ミリのちりや砂粒で、地球の大気と衝突し熱くなることで光る。動く光の点として見える」。彗星は「直径数キロ~数十キロの氷とちりの塊で、太陽の光が当たって光る。尾がある場合もあるがぼんやりした光の塊として見える」。そして彗星は「見える時間、空のどこで見えるかが決まっている」ということ。明石市立天文科学館によると「一瞬しか見えない流星に対し、夜空のある場所にボーっと浮かんでいて、日ごとに星座の中を動いているように見えるのが彗星」。

 このチャンスを逃すと、もう2度と見ることができないZTF彗星(C/2022 E3)。日によって位置を変えていく姿を捉える最初で最後の機会になる。

 彗星に願いをかけてみたら……叶う?かも。

明石市立天文科学館
明石市立天文科学館
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