ラジオ関⻄の三上公也アナウンサーが、兵庫・神戸で活躍する企業やお店を訪ねる『こうべしんきん三上公也の企業訪問』(ラジオ関⻄『三上公也の朝は恋人』内、午前9時38分ごろ〜)。4月21日の放送回では、電気機械や金属製品、一般機械器具の製造業を営む株式会社楯菱電産(本社:兵庫県加古郡稲美町)を訪問し、代表取締役社長の楯川賢三郎さん、営業課長の木村彰人さん、取締役の吉原安紀さんの3人に、会社の特長や将来像などを聞いた。
企画・設計から製作の各工程すべてを一貫して行っている楯菱電産。当初は神戸市長田区で、兄弟2人で水圧工業を営み、製缶などを行っていた。あるときから三菱の装置類の生産を受けるようになり、「水圧工業から楯菱電産という名前にしたらどうや?」という話から1983(昭和57)年に現社名で会社を設立した。その後、現在、本社を置く加古郡稲美町へ移転。最近では設備投資によって大型機械なども入り、幅広い仕事ができるようになったことで「一貫して生産ができるようになった。小さなものから大きなものまで完成品を提供できるのが、わが社の売り」と楯川社長は語る。
春は新入社員を迎える季節。そのなかで、入社した大企業や中小企業に自らが何をしたいか、悩みを抱える人も多いだろう。楯菱電産に丸10年務めている木村さんは「大企業で務めることでのやりがいと、地方の中小企業で働くことのやりがいは両極端」という。それでも、「規模の大きさにかかわらず、自分がどういうやりがいを持つべきかを重要視するべきなのではと思う。大企業は福利厚生や給料面は確かにいいが、中小企業ならではのよさ、そこにしかない(親しい)距離感があり、こういう企業にすごく魅力を感じる」と、地域に根ざす楯菱電産で働く意義を語る。そんな木村さんのことを、楯川社長は「私の会社のピカ一です!」とにこやかに話す。
「これからは若い者を育てなあかんなと思っている」という楯川社長は、現在喜寿(77歳)を迎えている。事業承継については苦労もあったそうだが、そのなかで、楯川社長の娘さんがちょうど子育てを終えたこともあり、「外に出てみいへんか?」と社に引っ張ってみたら、「良いよ」と返事をくれたそうだ。それが今の取締役の吉原さんだ。
男社会ともいえる機械製造業での事業承継について、吉原さんは、現場も男性の方ばかりで「私で大丈夫かな」と不安ではあったそう。それでも、これからの時代こそ、経営の面で「女性も活躍できるかも」と思い、承諾したという。「主人と建築の仕事をしていた」こともあって一級建築士の資格を持っている吉原さん。「モノ作りの観点では一緒だが、元々木造を担当していたので、鉄鋼のことはこれから勉強してやっていきたい」と前を向く。今後に向けては「若い職人や従業員もたくさんいらっしゃるので、コミュニケーションをとりながら、力を合わせてみんなで大きくしていきたい」と将来像を語っていた。
株式会社楯菱電産
http://www.tatebishi.co.jp/