認知症の妻（86）を暴行し死亡させたとして、兵庫県警は7日、傷害致死容疑で夫（89）を逮捕した。
夫は1月末から2月1日にかけて、自宅などで顔面や全身を殴り、肋骨を折るなどのけがをさせ、1日に死亡させた疑いが持たれている。死因は出血性ショックで、全身に皮下出血があった。
夫は神戸市北区で妻と2人暮らし。1日夜、自宅内のダイニングテーブルの下で倒れているのを発見した夫から連絡を受けた親族が119番通報した。妻は約2年前から認知症を患い、夫が身の回りの世話をしていたという。
夫は「（妻に）転倒癖があった」と説明していたが、その後、「自宅内で暴行し、妻が死亡したことは間違いない」と容疑を認めたという。そして、「声をかけても（妻が）返事をしないので腹が立ち、床にたたきつけて折れた木製の椅子の脚で殴った」と供述している。
これまでに虐待をめぐる警察署への相談はなかった。捜査関係者によると、1月末に路上で夫が妻を暴行していたとの情報もあり、日常的な暴行の有無を調べているが、夫はこの点は否認しているという。
