昭和の「食」を道具類、再現サンプル、イラスト作品でたどる 企画展「おいしいごはんができるまで」 明石市立文化博物館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

昭和の「食」を道具類、再現サンプル、イラスト作品でたどる 企画展「おいしいごはんができるまで」 明石市立文化博物館

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 昭和のころ、人々がどのように食材を調達し、ごはんが食卓に並んでいたかを紹介する企画展「くらしのうつりかわり展 おいしいごはんができるまで」が明石市立文化博物館(兵庫県明石市)で開かれている。3月21日(火・祝)まで。

会場入り口
会場入り口

 明石で使われていた漁業や農業のための道具、当時の食事(食品サンプル)など計約100点のほか、同市の玉子焼き店店主、多聞新八さん(1922~2003年)が当時の風俗や自らの体験をイラストと文でつづった作品も掲示、昭和を生きた人々の「食」事情が生き生きと伝わってくる。

多聞新八さんの作品
多聞新八さんの作品

 前半のコーナーでは、明石らしく、タコつぼやタコの釣り具、イカナゴ漁の網などのほか、昭和30年ごろまで行われていたイワシの巾着網漁の様子がよく分かる貴重な写真も並ぶ。巾着網漁は、イワシの群れを探す船と収穫したイワシを運ぶ船、網をあやつる船が複数隻求められるため、70人~100人くらいの大チームを組んで操業。パネルに描かれたダイナミックな操業法が興味深い。

タコつぼ(左と中央)とタコの釣り具
タコつぼ(左と中央)とタコの釣り具

 漁業関係者だけでなく、明石では子どもたちも「ごはんの足しに」と自ら海に入り、ワカメやカニ、貝を獲っていたという。長い縄を結び、海に投げ入れてワカメを引っかける道具「スマル」や川や磯でエビを獲る網「マルナゴ」などの実物も観察できる。

エビを獲る「マルナゴ」(左)とワカメを引っかける「スマル」
エビを獲る「マルナゴ」(左)とワカメを引っかける「スマル」

 農業にかかわる道具は、田と田の間のあぜを削る道具「アゼハツリ」、一定間隔で一粒ずつ種をまく「種蒔機(たねまきき)」、金属の歯に稲や麦を引っかけて実を外す「千歯扱き(せんばこき)」、米や麦などと葉やくずを風の力でより分ける「唐箕(とうみ)」など多様。耕運機やコンバイン導入前の農業従事者の知恵や苦労が見て取れる。

農業で使われたさまざまな道具
農業で使われたさまざまな道具
「唐箕」
「唐箕」

◆企画展「くらしのうつりかわり展 おいしいごはんができるまで」
会場:明石市立文化博物館 〒673-0846 明石市上ノ丸2丁目13番1号
会期:2023年1月29日(日)~3月21日(火・祝)
開館時間:9:30~18:30(入館は18:00まで)
休館日:月曜
観覧料:大人200円、高大生150円
問い合わせ:同館078-918-5400
明石市立文化博物館 https://www.akashibunpaku.com/

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