プロの現場や自宅でも気を付けたい「マイクの保管方法」について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
ラジオ局にある、たくさんの音響機器。ラジオ関西(神戸市中央区)では、技術センターのマスタールーム(マスター・コントロール・ルーム=主調整室のこと、以下「マスター」)に、マイクやヘッドフォン、中継機材、各種のケーブルなどの機材を保管しています。スタッフはそれをマスターで申請したうえで、借りて使用し、管理はマスターの技術スタッフが行っています。
どんな機材もそうですが、気をつけなければいけないのが、湿度や温度。ラジオ局には、他にもミキサーやスピーカーなど大きな機材もあるので、空調設備を整えて、しっかり管理しています。日本は高温多湿の気候ですので、家などで機材を保管する場合には特に注意が必要です。
その丈夫さから、外の現場に向いていると言われる「ダイナミックマイク」でも、雨に濡れてしまったりしたときには、ちゃんと水分を拭き取って、専用のマイクケースに入れて、保存しなければなりません。高温多湿、埃などに弱い「コンデンサーマイク」は、特に注意して保管しないとダメです。マイクケースに小さな乾燥剤を1つ入れておく、というのもおすすめの保管方法。その場合、注意したいポイントは、乾燥剤は定期的に交換する、というところ。楽器やカメラのケースなどにも乾燥剤を入れる人は多いですが、マイクも同じです。乾燥剤は市販のものでも大丈夫です。
音楽スタジオに行くと、マイクを金庫のような場所に入れているのを見かけることがあります。もともとカメラを保管するのに使うことが多いようですが、デシケーター(防湿庫)という金庫のようなボックスに入れるのも、保管方法の1つです。電源を入れて、湿度や温度を管理できるものもありますし、鍵がかけられて、防犯にも良いです。ただし、コストがかかるというのと、マイクホルダーやケースなどの付属品をきちんと別の場所に保管する必要があります。
湿度やほこりは、機材の中の精密機械にカビが生えてしまったり、サビついてしまう原因にもなります。特にマイクの場合には、中にクッションのような素材が入っている場合だと、それ(湿度やほこり)が劣化のもとに。久しぶりに倉庫から出したマイクを使ったら、バサバサとノイズがのってしまった、ということもあるようですので、きちんと保管しておきたいものです。
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2023年2月5日放送回より
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【放送音声】2023年2月5日放送回