恐竜展を美術館で開催 主役は骨や化石ではなく「絵」 3月から 兵庫県立美術館で | ラジトピ ラジオ関西トピックス

恐竜展を美術館で開催 主役は骨や化石ではなく「絵」 3月から 兵庫県立美術館で

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 恐竜の魅力を化石ではなく絵で展示する特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」が、神戸市中央区の兵庫県立美術館で3月4日(土)から開催される。その見どころについて、兵庫県立美術館学芸課長の岡本弘毅さんが、16日放送のラジオ関西の番組で語った。

兵庫県立美術館

 化石などの学術的根拠に基づいて古代生物を描く、パレオアート(古生物美術)の世界にスポットを当てた美術展となる、今回の「恐竜図鑑」。館内には、19世紀の復元画をはじめ、20世紀に活躍した恐竜絵の2大巨匠による作品や、最新の恐竜絵など、世界各国から取寄せた150点以上の作品が集結する。

 子どもに人気の恐竜が主役ということもあり、「もちろん子どもさんに観に来てほしいですが、昔、子どもだった大人の方にも来てほしいなと思って企画した展覧会です」と、岡本さん。「恐竜展でよくイメージされるのが、大きな骨や化石で、そういった資料が出るものなのですが、今回の展覧会は美術館での展覧会ということもあり、そういった定番の資料が出ない、『化石の出ない恐竜展』なんです。何が出るかと言いますと、恐竜の『絵』です。恐竜をイメージするとき、骨だけだとどんな姿だったのかというのがわからないので、生物学の知識などを画家たちがくみ取ってイメージし、『こんなふうに生きていた』というような姿を絵にして、博物館などで骨の横に飾られていたりしますが、今回はその絵を主役にした展覧会です」と、美術館ならではの恐竜展になるという。

 この特別展のポスターには「イケてた頃の俺。」というキャッチコピーとともに恐竜の絵が掲載されている。しかし、岡本さんは「実は、この恐竜の絵は、今の恐竜の姿じゃないんです」と述べ、次のように説明する。

「今の子どもたちが見たら『え、何これっ?』と思うかもしれません。実はこれは1950年ぐらいの絵です。私の子どもの頃、1970年ぐらいの恐竜図鑑にはたいていこんな感じで(絵が)のっていましたが、その後の研究によって、全然違う姿になり、たとえばイグアノドンだと、今は前かがみになって、ちょっと弱弱しい感じの姿に変わっているんです」(岡本さん)

特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」のチラシより

 今回の特別展では、20世紀半ばに描かれた恐竜の絵が展覧会の中軸になるそう。「実は恐竜というものが発見されてから200年ぐらい経つのですが、その当初は、今の恐竜とは似ても似つかない怪物のような絵から始まりました。それがだんだん科学の発達とともに、恐竜がどういうものかというのが次第に明らかになってくると、それによって恐竜の絵、恐竜の姿というのもだんだん変わってくる。その200年の恐竜の姿がどんなふうに変わったかという歴史をたどるのが、今回の展覧会のメイン(の目的)です」(岡本さん)。

 特別展「恐竜図鑑」は、第1章「恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち」、第2章「古典的恐竜像の確立と大衆化」、第3章「日本の恐竜受容史」、第4章「科学的知見によるイメージの再構築」という全4章で構成。岡本さんは、「科学の視点からすると、昔がちょっと間違っていて今が正しいというような見方をしてしまいがちですが、美術として捉えた場合、昔は限られた化石の情報など限られた資料からアーティストが精一杯のイマジネーションを広げてに絵にしたということもあり、(今昔の変遷の)その面白さというのも見ていただきたいなと思います」と、見どころを語った。

 兵庫県立美術館で行われる特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」の会期は、2023年3月4日(土)から5月14日(日)まで。休館日は月曜日。観覧料などの詳細は兵庫県立美術館の公式ホームページに掲載されている。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』内、「こちら知事室」より(2023年2月16日放送)

ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』内、「こちら知事室」に出演した兵庫県立美術館学芸課長の岡本弘毅さん(左)(写真:ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』)

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』では、兵庫県立美術館で行われる特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」のチケットを10組20人にプレゼント。応募の詳細は番組ブログを参照。

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三上公也の朝は恋人 (3) | ラジオ関西 | 2023/02/16/木 09:00-10:00

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