阪神・淡路大震災以前から神戸海上保安部で運航していた唯一の巡視艇「きくかぜ」(総重量24トン)が10日、3代目に“代替わり”した。
前任の2代目は1994(平成6)年3月に就役(就航)し、今年(2023年)2月、約29年間の任務を終えて引退した。初代は1971(昭和46)年12月から23年10か月間就役した。
神戸海上保安部の巡視船艇、全9隻の中ではCL型(Craft Large)と呼ばれ、全長20メートル以下の「小型」に分類される。全長約18メートル、総トン数は19トン。2代目より約1.5メートル短い。
震災時、甚大な被害を受けた港湾施設の調査や支援物資の輸送などに活用された。2代目きくかぜ就役中に、人命救助が210人、事件の摘発は650件にのぼった。
海上保安庁によると、 CL型巡視艇は、「風」または「花」の名前を付けることとしており、神戸市北区の「菊水山」の「菊」をとって、「きくかぜ」と命名されたという。神戸海上保安部には、このほか同型の巡視艇に「まやざくら(摩耶桜)」、「なだかぜ(灘風)」などがある。
田中宏和船長(37)は、船長として引退した2代目きくかぜの最後と、新たに就役した3代目きくかぜの初代を担う。
そして、「18メートル型巡視艇の特徴として、急旋回など小回りがきく操船ができ、最新鋭の航海設備も搭載されている。その性能を十分発揮させるべく、任務を遂行したい」と抱負を語った。
先代・2代目きくかぜよりも全長が約1.5メートル短く、コンパクトになった。
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