“れきはく”の愛称でも親しまれ、今年開館40周年を迎える「兵庫県立歴史博物館」(姫路市)。郷土の歴史に関する県民の理解を深め、教育や学術、文化の発展に寄与することを目的として、1983年、特別史跡・姫路城跡内の北東に誕生しました。
建物は、別名「白鷺城」とも呼ばれる姫路城をイメージし、壁は石垣を、空調用の換気口は狭間を表しています。また、ティーラウンジのガラス面には天守の美しい姿が映るなど、随所に姫路城をモチーフにした設計がなされていて、記念撮影のポイントとしても人気です。ちなみに、“れきはく”の建物の設計を手がけたのは、世界的にも有名な建築家・丹下健三氏。丹下建築らしさを探してみるのも、“れきはく”の楽しみ方のひとつと言えます。
そんな“れきはく”が、約1年半の大規模改修工事を経て今月8日にリニューアルオープンしました。改修工事を経て、兵庫の歴史の流れを紹介する展示や、美術とくらしを学べる展示を新たに設置。そのほか、直接手で触れることができるハンズオン展示や、スマートフォン上でのバーチャル着付けなどのコーナーも楽しめます。
そして現在は、開館40周年記念特別展「HISTORY OF MUSEUM-れきはくの“これまで”と”これから”-」を開催中。開館から今に至る“れきはく”40 年の軌跡を、当時の資料や写真などでたどり、県指定文化財を含むバラエティに富んだ資料の数々を一挙公開します。期間は、6月18日(日)まで。
見どころのひとつは、過去の展覧会を振り返るコーナー。“れきはく”でこれまで開催してきた195の展覧会のポスターを一覧できるほか、「ひょうご」と「コレクション」をテーマに、過去の展覧会の一部も公開。当時の出品資料を担当学芸員の思い出話とともに紹介します。また、公立博物館で初めて「妖怪」をテーマとした展覧会を開催したことから、妖怪のコーナーも設けています。
学芸員の仕事を紹介するコーナーでは、資料の展示テクニックを、展示道具や展示方法にスポットを当てて紹介。博物館の仕事にも興味が持てそうです。
そのほか、子ども向けの体験コーナー「おっきな福笑いをつくろう!」や手話通訳・要約筆記付きのイベントを開催するほか、館蔵資料のさわれるレプリカやハンズオン展示を初めて披露。ユニバーサルミュージアムの観点からこれからの博物館のあり方を考えます。
リニューアルオープンした兵庫県立歴史博物館。大人から子どもまで楽しめそうです。
(取材・文=岡本莉奈)
【開館40周年記念特別展 「HISTORY OF MUSEUM-れきはくの“これまで”と“これから”-」】
■会期 2023年4月8日(土)~6月18日(日)
■開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休館日 月曜日
■観覧料金 大人 1000円/大学生 700円/70歳以上 500円/高校生以下 無料
障がい者 一般250円/大学生150円