「一度だけ怒られたことがあって……」。吉本興業のお笑い芸人・ケツカッチンの高山トモヒロが、ラジオ番組で、吉本新喜劇の看板女優である浅香あき恵との思い出や裏話を語った。
吉本新喜劇のベテラン座員として活躍している浅香だが、高山によると「一度、新喜劇を退団して漫才に取り組んでいた時期がある」そう。
「1989年に『新喜劇やめよっカナ? キャンペーン』というのがあったんです。吉本新喜劇をリニューアルするために若い座員を座長にしていこうという方針で、ベテラン座員は進退を問われていたんですが、その時にあき恵姉さんは一度退団して、島田一の介さんとコンビを組んで漫才してたんですよ」(高山)
浅香がコンビ漫才師として活動を始めた頃は、高山もケツカッチン前のコンビ「ベイブルース」として活動中。営業の仕事でよく一緒になっていたのがきっかけで、浅香から食事に誘われるようになったのだという。浅香が漫才コンビ組んでいた1年から1年半くらいの間、よく食事に連れて行ってもらったそうで「仕事が終わった後『タカ、漫才教えて』って声かけてもらいましたね」と話し、浅香の気さくな人柄を伺わせた。
浅香と知り合って何十年と経つという高山。プライベートの浅香について「よく飲み、よく歌う人で、テレサ・テンと桂銀淑(ケイ・ウンスク)がお気に入り」と明かしたあと、あるエピソードを披露した。
「先輩って、お酒が入ると仕事の熱い話をしたり、良い意味で後輩を叱ってアドバイスくれるじゃないですか。でもあき恵姉さんはそれが一切ない」としたうえで、「若い頃に、たった一度だけ怒られたことがあるんです」というのだ。
聞けば、浅香とスナックへ行った際のこと。「夜中の1時か2時くらいに『最後に一回だけ歌う』って、『すずめの涙』を(カラオケの予約リストに)入れたんですよ。それで僕が『よっ! テレサ・テン!』って合いの手入れたらキッとにらまれて。『桂銀淑よっ!』って(笑)。『名前間違えられたら嫌でしょ、テレサ・テンと桂銀淑の気持ち分かってんの?』って」(高山)
後にも先にも、浅香に怒られたのはその一回きりなのだそう。
さらに浅香は高山の妻とも仲が良いといい、二人で食事へ行ったりお互いの自宅へ泊まったりと家族ぐるみの交流もあったのだとか。
その後、浅香が新喜劇の座員に復帰して食事に行く機会が減ったのが、吉本興業創業100周年記念の『吉本百年物語』(2012~13年、なんばグランド花月で上演)で再び顔を合わせることが増え、交流が復活したのだそう。高山は、浅香を含め『吉本百年物語』を共にしたメンバーとは今でも一緒に食事をすると話し、改めて「良い先輩です」と語った。
※ラジオ関西『Clip木曜日』2023年3月9日放送回より