「オリジナル曲の可能性を広げる」。TRFのDJ KOOが、6日放送のラジオ番組『DJ KOO×REBOOT THE WORLD』(ラジオ関西)で、自身が手掛けたリミックスの裏話や、リミックスが持つ魅力について語った。
現代の音楽シーンでよく耳にする「リミックス」について、DJ KOOは「原曲を変えること。もともとある曲をダンス風にしたり、アコースティック風にしたり……。一番分かりやすいのは、オリジナル曲のビートをさらに強めてダンスミュージックっぽくするのがリミックスの基本です」と解説。まず、自身初のリミックス作業を振り返った。
「僕が最初にしたリミックスは、今でいうところの楽曲編集に近いかな? イントロにビートを足してつなぎやすく16小節をつける、ディスコで盛り上がりやすいよう編集する作業をしました。DJのターンテーブルやDJミキサーで、“オープンリール”っていう大きなカセットテープみたいなものを切り貼りしてましたね」(DJ KOO)
最近手がけたのは大黒摩季の楽曲とのこと。「摩季ちゃんの30周年記念として、曲を全部つなげてノンストップに仕上げる“ノンストップリミックス”という作業を担当しました」(DJ KOO)
作品は、30周年に引っ掛けてピッタリ30分に収めたとのこと。「納品前の最終段階で、ミックスダウンっていう音調整なんかをする。そこで(大黒摩季に)立ち会いのもと『もっとライブっぽくしない?』って意見をもらったり、摩季ちゃんと二人でレコーディングブースに入って、ライブっぽく歌ったりあおったりと、新たなリミックスの可能性がそこにありました」と、作業を通しての発見を語った。
さらに、あるテレビ番組の企画では、五木ひろしの『よこはま・たそがれ』をリミックスしたそう。番組側からDJ KOOらしさを求められたといい、「テンポを上げてEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)っぽく、エッジの効いたシンセでイントロに変化を持たせました」と話した。
生放送の本番では、五木ひろしの行動に驚いたという。「五木ひろしさんが、そのトラックを歌でしっかりと引っ張ってくれたんです。DJブースから動きを見ていたんですけど、膝でアップダウン(リズムを)とりながら歌っていて、より盛り上がった。ビッグリスペクトです」(DJ KOO)
これらの体験を踏まえてDJ KOOが打ち出したリミックスの定義は「オリジナル曲の可能性を広げる」もの。「今までずっと聴いてた曲が、こんな形で新しい時代でも喜んで聴いてもらえること、踊れるんだと思ってもらえることに(リミックスの)可能性がある」とした。
さらにはビートルズを挙げ、「『All You Need Is Love(愛こそはすべて)』という曲の一番最後、アウトロのルーズになっていくエンディングで、別の楽曲『She Loves You 』のワンフレーズを歌っていたんですよ。これぞ遊び心、これぞ意外性だと思いましたね」と話し、“遊び心と意外性”が自身のリミックスの原点であることを明かした。
※ラジオ関西『DJ KOO×REBOOT THE WORLD』2023年5月6日放送回より