希少な銘木から職人の手を経て誕生する、世界に一つだけの「一枚板家具」をご存じだろうか。板は巨木の丸太から削り出しているため個性豊かな表情で人気が高い。一枚板家具専門店『アトリエ木馬 アウトレット神戸店』(神戸市東灘区・六甲アイランド)のスタッフ・宮島寿史さんに、人々の心をとらえてやまない一枚板家具の魅力を教えてもらった。
店内には数々の樹種の一枚板家具が並ぶが、宮島さんが個人的に好きな樹種は国産の欅(ケヤキ)だという。「寺や神社で使われることも多いので、木材の知識がない状態から入社した私でも当初から親近感が湧きました。イス・テーブルの脚など、色々なものに合わせやすい万能な点も魅力のひとつです」(宮島さん)
希少価値の高い木材の一枚板も取り扱っており「クラロウォールナット」もそのひとつだ。北米に自生していたアメリカンブラックウォールナットにヨーロッパから持ち込んだイングリッシュウォールナットを接ぎ木して生まれた種で、人工的に接ぎ木している木材は他に類を見ないという。人工的に木目をつくる過程で拒絶反応が出た結果、荒々しい模様になっているのが特徴だ。
同店で販売しているダイニングテーブルの多くは、脚の向きを変えて付け替えることができる。これにより高さが変わり、ダイニングテーブルとローテーブル兼用で使用することが可能。通常は椅子を合わせてダイニングテーブル、来客があるときはローテーブルにして大人数で使えるというように、場面に合わせて2パターンの使い分けができる。
天板は裏表どちらも使うことができるため、異なる木の表情を楽しめる。これは“天板を上に載せているだけ”という設置方法により実現しているが、天板自体の重さで安定するため安全性の面でも問題がないのだそうだ。宮島さんは「このような使い方ができるのも一枚板テーブルならでは。他のテーブルにないすばらしい魅力です」と話していた。
まずダイニングテーブルを購入し、その後に他の家具も一枚板で揃えようとテレビボードやセンターテーブルを購入する……というパターンが多いという。リピーターが多いのも、一枚板家具の特徴なのだそうだ。