朝日新聞阪神支局襲撃事件36年 小尻記者悼み黙祷「さまざまな考え持ち、言い合う それが民主制」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

朝日新聞阪神支局襲撃事件36年 小尻記者悼み黙祷「さまざまな考え持ち、言い合う それが民主制」

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 朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)が襲撃され、記者2人が死傷した事件から5月3日、36年を迎えた。

朝日新聞阪神支局に置かれた小尻知博記者の写真〈2023年5月3日午後7時8分 兵庫県西宮市 ※代表撮影〉

 朝日新聞社は3日、現場となった阪神支局に小尻知博記者(当時29歳)を追悼する祭壇を設けた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年以降、記帳台は設けず、支局内にある襲撃事件資料室の一般開放も見送った。
 2022年7月に安倍晋三元首相、2023年4月には岸田文雄首相と、選挙期間の遊説中に要人を狙った事件が相次いだ。遺影に手を合わせた市民らは、事件に屈することなく、言論の自由や民主主義について思いを寄せる日となった。

朝日新聞阪神支局に置かれた小尻知博記者の写真〈2023年5月3日午後7時10分 兵庫県西宮市 ※代表撮影〉

 そして、発生時刻の午後8時15分に「しのぶ会」が開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年も人数を絞り、山浦一人・大阪本社編集局長ら関係者約20人が参加した。

 まず、堀江泰史・神戸総局長兼阪神支局長が合図し、全員で1分間の黙禱をささげた。

 続いて山浦局長が、「5月3日を迎えるたびに、深い悲しみと卑劣な犯行に対する言いようのない怒りを感じてきた。異なった意見を暴力で封じるようなことを、我々は許してはいけない。様々な方が様々な考えを持ち、様々なことを言い合っていく。それが私たちの民主制を支えている。この事件に時効はない。この事件を報じ続けていくことを誓う」と話した。

事件発生時刻に合わせ黙禱する朝日新聞の社員ら<2023年5月3日午後8時15分 兵庫県西宮市 ※代表撮影>

 この日午前、広島県呉市にある小尻記者の墓に朝日新聞大阪本社と広島総局の幹部2人が訪れ手を合わせた。

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 事件は1987(昭和62)年5月3日午後8時15分に発生。目出し帽姿の男が押し入り、小尻記者が死亡、同僚の犬飼兵衛氏(2018年死去)が重傷を負った。報道機関に「赤報隊」を名乗る犯行声明が届き、中曽根康弘元首相への脅迫、江副浩正リクルート元会長宅銃撃、愛知韓国人会館放火など7件の事件について、警察庁は「指定116号事件」としたが、いずれも未解決のまま、2003(平成15)年までにすべての公訴時効が成立した(阪神支局襲撃事件の時効は2002年)。

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