サッカー・女子プロリーグ「WEリーグ」の2022-23シーズンは残り5試合となり、いよいよクライマックスに突入。週末にやってくる第18節、5月14日（日）には、勝点40で首位を走る三菱重工浦和レッズレディースと、勝点36で2位のINAC神戸レオネッサとの直接対決が、神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸で行われる。キックオフ予定は午後1時。
連覇を狙うINAC神戸は、ゴールデンウイーク中の5月3日、第16節でリーグ11位（最下位）のアルビレックス新潟レディースにアウェイで0-1と痛恨の敗戦。相手の術中にはまり、今シーズン初黒星で、優勝争いから一歩後退した。それでも、5月7日の第17節ではノジマステラ神奈川相模原にアウェイで2-0と勝利。雨が降りしきる悪コンディションのなかでも、なでしこジャパン（日本女子代表）FW田中美南選手の2得点で、イヤな流れを断ち切った。
INAC神戸の安本卓史社長は、8日放送のラジオ番組『カンピオーネ！レオネッサ!!』（ラジオ関西）に電話出演し、「（今後のために）1点でも多くとりたいのは明確。田中（美南）も言っていたが、（チームは）いくら外れようが打ち続ける覚悟で試合に臨んでいた。（ドライなピッチに苦しんだ）新潟L戦とはうってかわって（N相模原戦は）ボールが走り続ける環境も、試合を見事に制したし、シュートも22本とかなり打っていた」とコメント。攻めあぐねた新潟L戦の反省を受けて、チャレンジし続けたイレブンの活躍を称えていた。
安本社長は今のINAC神戸の雰囲気については、「やることをやって、だめだったら仕方ないと、開き直っていると思う。あと5試合、やりきるという感じになっている」と、前向きにとらえている。
今回の首位攻防直接対決を前に、安本社長は、浦和Lの要注意選手に、元なでしこジャパンFW安藤梢選手の名をあげた。2011年の女子W杯優勝メンバーの1人で、ドイツでのプレー経験もある現在40歳の大ベテランは、FW登録ながら、現在はセンターバックで活躍中。キャプテンのMF柴田華絵選手とともにチームの精神的支柱でもある背番号10は、昨シーズン、国立競技場で行われたINAC神戸戦でゴールを決めるなど、INAC神戸との試合では特に活躍が際立つ。
安本社長はさらに、「MF島田芽依選手やDF石川璃音選手ら若手でも活躍しそうな選手がいて、MF清家貴子選手、MF猶本光選手、MF塩越柚歩選手らタレントも揃っている」と、具体名をあげながら、浦和Lの個の力を警戒していた。
一方、「（INAC神戸対浦和Lは）現段階での女子サッカーのトップの試合、ぜひスタジアムで、生で観てほしい。特にサッカーをやっている少年少女たちに観てほしい」と述べていたのは、『カンピオーネ！レオネッサ!!』で番組パーソナリティーを務める元なでしこジャパンDF川上直子氏。今回の一戦での浦和Lの注目選手には、なでしこジャパンFW菅澤優衣香選手をピックアップし、「昨シーズンより身体もフィットしている感じ。今年、楠瀬直木監督のもとで、しっかりトレーニングを積んでいる」と、切れ味が鋭くなったストライカーに注目していた。現在の得点ランキングは1位がINAC神戸の田中選手（9得点）、2位が浦和Lの菅原選手（8得点）ということもあり、2人の活躍がそのまま勝敗に直結しそうな予感も漂う。
リーグの得点力ナンバー1（35得点）の浦和Lと、失点が一番少ないチーム（9失点）のINAC神戸との“ほこたて対決”はどちらに軍配が上がるか。今シーズンのINAC神戸と浦和Lとの対戦では、INAC神戸が2戦2勝。昨年10月のWEリーグ第6節で2-1とアウェイ戦を制し、今年1月の皇后杯準々決勝でも栃木の地で2-1と勝利しているだけに、INAC神戸として狙うは同一カード3連勝。そのためにも、「（スタジアムに）応援にたくさん来ていただきたい。ぜひスタンドから後押し、バックアップしていただき、ホームアドバンテージを出せれば」と、安本社長は神戸のファン・サポーターの結集をを呼びかけていた。
