海遊館(大阪市港区天保山)では、世界最大級のサンゴ礁の海を再現する「グレート・バリア・リーフ」水槽(水量450立方メートル、魚類72種・800点)のリニューアル工事が行われている(2024年9月リニューアルオープン予定)。
これに伴う特別企画として、魚を展示水槽からバックヤードに移動し、海水を抜いた展示空間を舞台に、海洋プラスチックなどを再利用して作られたファッション アイテムで彩る「サンゴショーウィンドウ」を 5月12日(金)~14日(日)の 3日間限定で開催する。
「グレート・バリア・リーフ」水槽の展示リニュー アルは、海遊館がオープンした1990(平成2)年以来初めて。
今回の企画は、来館者にサンゴ礁が残る海の保全の大切さを伝えるため、海洋プラスチックごみや海岸に漂着した漁網などの素材を再資源化して製品に再生し、海洋保全への貢献に取り組む複数のファッションブランドとのコラボレーションで実現した。
「サンゴ礁」には多くの海洋生物が生息し、“海のゆりかご”と呼ばれるほど重要な生態系と呼ばれる一方で、この生態系はサンゴが長い時間をかけ、生と死、再生を積み重ねて形成された姿で、一般的にイメージされる「華やかさ」とはかけ離れた景色も存在する。
2016(平成28)年度の環境省による海洋ごみ調査によると、日本に漂着するプラスチックごみの総重量のうち、約4割が廃漁網、ロープだったことが判明した。
大阪に本社を置き、生活関連資材の製造販売を手掛ける老舗・モリト株式会社(モリトアパレル)は、今回”Rideeco(リデコ)”ブランドとして出展している。”Rideeco”は、Ride for Eco(「サステナブルを支持する」という意味)を基にした造語。廃漁網を生地やアパレル資材に加工することで、海洋汚染問題の解決策に取り組んでいる。
関係者によると、約10トンの廃漁網を回収し、実際に再利用できるのは2.5トン(約4分の1)に過ぎないという。